今朝約3週間滞在していた実家から決死の覚悟(?)で東京に戻ってきました。今この記事は、都内の自宅で書いています。どの判断も苦しいけど、我が家の場合。
帰省してから一気にCOVID-19の様相が変わった
これは正直、私自身の認識の甘さもありました。1つは日本の体制上いわゆる「ロックダウン」と言われる都市封鎖はできないとわかっていたこと(自宅に帰れないという可能性はほぼないと認識していた)、もう1つは日本での感染拡大は4月以降になるだろうと勝手に読んでいたことです。
当初の予定では、リモートワークをしながら母のお墓参りや祖父のお見舞いなどを済ませ、1週間程度で都内に戻るつもりでいました。
しかし、一気に感染者数が増加、3月28日〜の外出自粛要請、県外への移動自粛の呼びかけなどが起こり、祖父が急死し、とても今移動するのは・・という状況になってしまい、そのまま4月に突入してしまったわけです。
はて、私これ、いつ帰ったらいいの?と悩み始めたのは4月1日頃。夫に連絡すると「もう東京は危険だからできるだけそっちにいた方が僕は安心」という回答。
一方で、在宅勤務が多めの夫と比べて、実父は平日毎日出勤、感染者の出ている中核都市に住む同僚も結構いるという環境。
私はというと、1週間程度で帰るつもりの軽装備だったのでマジでPCと部屋着しかないし、これで1ヶ月も2ヶ月も過ごせというのはさすがに無理あるよ・・・というのもありました。
Twitterでアンケート実施
夫婦二人では拉致があかず、悩んで悩んでフォロワーさんに意見を聞いてみることに。
実家帰省も2週間弱、正直出てくる時点ではこの事態を想定できずかなりの軽装備で来てしまい、いつ東京に戻るか悩んでいます…。
— mary (@maryism_mary) 2020年4月4日
・24wの妊婦健診が2週間後
・実家も中核都市が近く感染者増加中
・夫は在宅メイン、実家の父は平日出勤
・実家付近は危機感薄、来客多め
・仕事リモート可
・移動は新幹線
笑ってしまうくらいに割れた・・・・(回答くださった方ありがとうございます)
ちなみに隠してるわけじゃないので言うと、中核都市とは仙台市です。
まぁ、これ1週間後に聞いたらまた違う結果だったもしれないですが。 当時はそれくらい判断の指針がなくて、意見が割れる状況だったと思います。
頂いたコメントから考えるべきポイントをいくつかピックアップしました。
- 里帰り出産するかどうか(そのつもりがあるか)⇨その予定は全くなかった
- 分娩予定施設で分娩できない可能性 ⇨かなりあり得る
- 感染リスクの地域差、環境差 ⇨普段は自宅有利、健診での外出は実家有利
- 妊婦健診の時期 ⇨これは週数相当で受けたいという意見が多かった
- 周産期医療体制の地域差、環境差 ⇨実家が市中心部から遠すぎて東京有利
- 医療崩壊リスクの地域差 ⇨現状は東京が不利だが、仙台も時間の問題
- 移動による感染リスク ⇨避けることは可能
元々私が里帰り出産しないつもりだったのは、実母が他界していることもありますが、地元の周産期医療体制が既に崩壊しているからというのが大きな理由でした。
以前は救急対応の総合病院(産科)が2件、車で10〜30分で行ける距離にあったのですが、今は両方とも産科医が不在になり閉めてしまい、現時点でNICUは地域(二次医療圏)に0床という有様。
万が一の場合には仙台市の中心部に行くしか無いわけですが、最も近いNICUのある病院でも高速道路を使って車で45分以上かかる距離。万が一にも妊娠中期で胎盤早期剥離でも起こってしまった時に気づくのが遅ければ、赤ちゃんを助けられないかもしれないという恐怖が付きまとってしまうわけです。
里帰り出産というバックアップはアリか?
当時22週、里帰り出産をするならば20〜28週くらいで一度産院を受診するというのが通例だと思います。そこで、一応地元の産院に相談してみることにしました。
まぁ、その後日本産科婦人科学会から里帰り出産は推奨しない旨が出されましたが・・。
と言っても、仙台中心部の総合病院は感染リスク・医療崩壊リスクが都内と同程度になるだろうと想定して、実家から通える範囲に限定しました。
産科婦人科専門の大きいな病院(HP)が1件と、医師1名の個人の産婦人科(GP)が2件。
- HP:里帰り出産扱いで紹介状を持って28週までに受診すれば分娩可能(ただし、完全な転院扱いとなり、都内での分娩はしないことになる)
- GP1:緊急事態宣言が出た地域からの里帰り出産はすべて断る(医師1人で万が一感染した時に他の患者さんが路頭に迷うリスクを取れない)
- GP2:(すごく嫌がられたが)東京から来たあと2週間以上の自宅待機後に、遅くとも32週までに受診することで分娩受け入れを許容してくれた(非常事態宣言前だったからギリギリだったかもしらん)。今転院扱いになるといろいろ手続きなどこちらも面倒なので東京に戻るなら今ここで健診受けなくていいとのこと。ただし、健診時は待合室に入らず車で待機すること、夫など他の地域から来た人の面会はNG、東京から来たあと同居している家族の同行NG(車待機ならOKか聞かなかった)などなかなか厳戒な条件でした。
1は3件の中では一番遠く、仙台市からの患者さんも多いので(既に仙台市の状況は1ヶ月前の東京だと思う)実は分娩のリスクヘッジにならないのでは、というのもあって3に個人情報を伝えて、5月中旬時点で判断し、万が一東京の分娩予定施設がNGになってしまった場合等は受け入れをお願いすることに。(口コミは最悪だがもはやそんなことは言っていられんw)
そして帰京を決めた今の心境
夫とも何度か電話で相談し、感染リスクとしては一長一短ですが、周産期医療体制から現時点では東京の方が良いと判断しました。5月中旬で分娩予定の病院がお手上げになった場合のみ、実家に帰る選択肢を残している状態です。
結果、日曜の早朝という、新幹線はもちろん東京の駅や電車も十分なソーシャルディスタンスが取れる比較的空いている時間に移動してきました(結果、新幹線は車両に1人…これでも運行してくださるJRさん本当にありがとうございます)。
祖父の葬儀以降、実家でも家族とは別の部屋で食事し、常に距離を保ち、寒いのに一生懸命換気し、来客あらばいないもののように部屋にこもって10日ほど過ごしましたが、家の導線とかネット環境とかで「隔離」というのはなかなか難しいのもあって、東京の自宅に戻ることを決めました。
祖父母とは次に私がひ孫を連れてくるまで元気でいてね!!と言ったけど、状況によっては私が帰省すること自体が感染リスクなので本当にしばらく(年単位で) 会えない可能性もあるな、と思いながらお別れしてきました。
夫から東京に戻る条件として課せられた約束は以下。
もう夫は「自分は感染者」と思って私と接するつもりだそうです。
- 生活用品の買い物は夫に頼むこと
- 自宅では夫とも生活空間を分けること
- 外出後のアウターや荷物は玄関に置きっぱなしでシャワーに直行すること
- スキンシップも我慢すること(ただしお腹を触って話しかけるのだけOK(笑))
- 常に換気し、住居内でもソーシャルディスタンスを取って生活すること
- 毎朝晩ドアノブなどを掃除すること
はーーー考えただけで辛いけど、日中は元々お互いにオンライン会議も多いので部屋を分けていたし、寝室も分けていたし、食事の時間も被ってないし、まぁ自然にできそうか・・できるかな・・やるしかない!
現況に対して心情だけを吐露すれば、正直心配と不安しかない。終わりが見えない闇。
— mary (@maryism_mary) 2020年4月10日
だけどたぶん不妊治療で精神は鍛錬された。お腹には希望の塊がいる。出産は不安材料ではなくて、希望だ。最悪の状況でも自分達を絶対守ると腹をくくったら、意外とスッキリしてるもんだ。ここぞのポジモン発動💪
正直5月時点で状況が良くなっていることなどないでしょう。おそらく、出産時期でも今よりひどいことはあっても、"Before COVID-19"が戻っている可能性は限りなくゼロに近いと思っています。
もはや出産はどこにいてもどうせ一人だろうし、無痛分娩なんてなかったものになる。でも、妊娠経過が順調で無事に産まれてくれればそれでいい。いつの時代も、災害とか戦争とか信じられない過酷な環境でも子どもは産まれてきたのですから、なんとかなります。どーんと構えて挑みますわー。