めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

不妊治療をしてまで子どもが産みたい理由を考えてみた

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不妊治療が長くなると、時々あまりのしんどさに「ここまでして私達は子どもがほしいんだっけ?」と立ち止まることがある。

 

そんなに子ども産みたいんだっけ?

それは、めちゃくちゃ大好きなダメ彼氏の更生プロジェクトみたいなもんだろーか。

  • まともに働きもせずヒモ状態な上に(お金がかかる)
  • 浮気されて(結果が裏切られる)
  • 先が見えない(いつまでこの状態か不明)

でも大好きだし情がある。頑張って更生してもらうように付き合い続けるかどうか。

そんな経験はありがたいことにないんだけど(笑)、不妊治療は私にとってそんな感じだ。

正直にいうと、この「ずっと先の見えない不妊治療を続ける」という状況がしんどくて、そんなに子どもほしいんだったけかな・・と分からなくなることがあるのだ。

「もう治療をやめたい」と考えた事はこの4年間で一度や二度ではない。

もちろん、不妊治療をする権利は保障されるべき

誤解してほしくないのは、不妊治療は現代の医療水準にあって、誰もが受けられて然るべき技術だってこと。

今や人間は、ワクチンでウイルスの感染を食い止め、変異した細胞(がん)を切除し、機械が臓器の代替となり、病気ではないなどど言われていた妊娠中の体調管理や出産だって医療が介入する時代にいる。

妊娠だって同じだ。

通常のプロセスで妊娠ができない場合には、あの手この手で原因に応じた医療技術が使われる。これは、人類が進化する中での自然な営みと言って良いと思う。

私が言っている「そこまでして子どもを産みたいのか?」ってのは、そういう議論ではないのよ。

人はなぜ「産みたい」と思うのか?

「子どもが欲しい」は心の病?

例えば、吉田潮さんはめちゃくちゃ攻撃的なタイトルの記事(笑)の中で

「彼を束縛するための物理的な証として子どもが欲しかった」

と書かれていたし、他の方の話として

「自分にかまうのに飽きたから、子どもができれば気が紛れると思って」

 という内容もあった。(*どちらも「ウートピ」より抜粋)

ごめんだが、個人的にはどちらにも全く共感しない。

そもそも他人を束縛なんてしたくないし、夫は子などいなくたっていの一番に家に帰ってくるような人だし、私自身は元来好奇心の塊なのでやりたいことが多すぎて、自分にかまうので精一杯だ。

女は産んで当たり前という風潮。これも刷り込まれた固定概念としてはあり得るだろうが、個人的には違うと思う。私の尊敬する女性は、生涯独身や子どものいない方も多い。むしろ社会的に何かを成し遂げている人に強く憧れる。

子どもは日々の生活を向上させて幸せにしてくれると答えた人60%

一般男女に調査をしている記事もあった。

「なぜ子どもを持つのか?」に対する答えとして最も多かったのが「子どもは日々の生活を向上させて幸せにしてくれる」で、60%がそう答えたらしい。

うーん、これも共感ゼロ。

日々の生活を向上させる因子なんて数え切れないほどあるし、「幸せの種類」は様々だ。実際私、もうすでに十分(不妊治療さえなければ)この生活が幸せだからな~。

記事中にもあるように、他のどの理由も完全な納得感は得られないと思った。

ここまで共感できないと、あれ、私が子どもを産みたい理由て、なんか世間とかけ離れてるのかしら?という疑いが出てくる。 

子どもが産みたい理由を書き出してみた

そこで、自分はなぜ子どもが産みたいのかを、ちょと立ち止まってゼロベースで考えてみようと思い、一般的に言われる理由を書き出してみることにした。

ここでは産むかどうかに関係のないものも含まれるので、「子どもがほしい理由」としている。

これ!自分の理由はこれ!っていうのがある方、正直うらやましい。

まっすぐに「●●●だから子どもが産みたい」という意志があったら、やっぱり突破力は強いと思う。

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理由を並べてみて気づいたこと

あれ?どれもピンとこない!! ビックリするほど当てはまらない。

こんなに「子どもがほしい、産みたい」と思っていたはずなのに、コレといった理由が見つからないなんて、私今まで何してたのかな?とまで思った。

マジメな話、私が不妊治療をしている理由があるとしたら、パートナーが望んでいる(彼の言い分は「君の遺伝子を残したい」らしい)ことくらいだ。(でもずっと二人でも楽しいよね、とも言うから本心はわからない)

しかし一方で、明確に「子どもはいらない、産みたくない」理由もないことに気づいた。

私はもしかしたら「子どもはいらない」という確信がないから、逆説的に子どもがほしいと思っているのかもしれないなぁ。後悔先に立たずだし。

あまりに消極的な理由だろうか。

うーん。

っていうかさ。なぜ産みたいのかを端的に言うなら「ここに子宮があるから」なのだ。

いや、これね、全然ふざけてないのよ。大真面目にそうとしか思えない。

わたしゃ、ジョージ・マロリー*1かよ・・・。

「なぜ登るって、そこに山があるからさ」と言ったジョージの気持ちも、今なら理解できる気がする。

不妊治療にご立派な理由なんてなくてもいいよね

我が家はお世継ぎ的な呪縛もないし、将来、子どもに面倒を見てもらおうなどという気は微塵もない(むしろ親のことなど気にせず好きに生きてほしい)。

子育てを経験しなくちゃとも特別思わないし、世間体とかもホントどうでもいい。

日本の少子化を食い止めるために一役買いたいなんて思想もゼロ。

それでも、何百万円もかけても、まだ治療しようとしている。

未練なく諦めてしまえば、それはそれで楽しい世界が広がる事も知っている。

それなのに、往生際が悪いよね。

でも、仕方ない、私の身体には子宮があって、産める可能性を秘めているんだ・・。

不妊治療をしている人、みんながみんなすっごく前向きにキラキラ子育てライフを夢見ているわけでもないし、執念で治療を続けているわけでもない。

意外とそんなもんじゃないかなという気もする。

というか、子孫を残したいという本能に、いちいち崇高な理由なんか求めていたら人類滅びるだろ。

不妊治療をしているからといって、「我が子」に対してめちゃくちゃ特別なマインドを持っているとは限らないのよ。

自然妊娠と同じように、フラットに新しい命と向き合っていることも多い。

そういう意味でも、不妊治療は特別じゃないな、と思う。

*1:「なぜエベレスト(山)に登るのですか?」と問われ「Because it's there(そこにあるから)」と答えたことがあまりにも有名な登山家