本日は箸休めに、少し趣向を変えて不妊治療、妊娠、出産といったテーマを扱っているおすすめの小説をご紹介したいと思います。
- 1「産む、産まない、産めない」
- 2「ジーン・ワルツ」
- 3「マタニティ・グレイ」
- 4「ひそやかな花園」
- 5「朝が来る」
- 6「予定日はジミー・ペイジ」
- 7「夏物語」
- 8「いるいないみらい」
- 9「四十歳、未婚出産」
- 番外編「禁断のパンダ」
1「産む、産まない、産めない」
- 8つの「産む性」としての女性の葛藤と選択を描いた物語。
- 共感できるもの、できないもの、いろいろだけど、人それぞれだと痛感します。
- 予期せぬ妊娠の話はもやもやするし、不妊や死産の話は正直心がエグられるようで辛かったわ・・・。
- あんまり痛快とか、スッキリするような展開ではないけど、でも小説として存在する事の意味があると思う。

- 作者: 甘糟りり子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 文庫
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2「ジーン・ワルツ」
- 産婦人科を舞台にした要は海堂節炸裂の小説、「チームバチスタの栄光」等の作者です。
- ドラマにもなってるので有名かも?(個人的にはドラマはほぼ記憶がない)
- 不妊治療への国費捻出の意見書を産婦人科医が出すって、なんてまともな世界なんだろうと思ってしまう。厚労省はここでも嫌な存在だけど(笑)
- ちょっと古い作品なので、現状とは違うと感じる部分も多々あります、あくまでエンターテイメントとして。

- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- メディア: 文庫
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3「マタニティ・グレイ」
- 主人公の想定外の妊娠という設定なので子どもが欲しいと思ってる立場からすると前半はイライラしますね
- 男性が書いていると思わせないほど出産シーンの描写がリアル

- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/01/23
- メディア: 文庫
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4「ひそやかな花園」
- AID(非配偶者間人工授精)にまで踏み込んだもの。日本での現実感はさておき、血縁って何だろう、家族って何だろう・・とぼんやり考える題材。
- 個人的に角田さんの文章は好きというのもある。
5「朝が来る」
- 社会派ミステリー的な位置づけで不妊治療や養子縁組が扱われた作品。ちょっとノンフィクションみたいな雰囲気というかリアリティがあるので、引き込まれる文章。
- どの立場で読むかで印象が変わり賛否が分かれる作品かなとは思いますが、養子縁組を含めてこういう難しいテーマに向き合うことを評価したいって気持ち。
6「予定日はジミー・ペイジ」
- こちらも角田光代さん。専業主婦で妊婦の日記形式の小説。
- ハッピーなマタニティライフかと思いきや妊娠に対する不安や疑念、そして違和感が溢れるのが妙なリアリティを感じる。
7「夏物語」
- 2019年7月の新刊、AID(非配偶者間人工授精)で1人で子どもを産もうとする女性と「反出生主義」をテーマにした作品。
- 「産む」ということに対して特に女性が直面する問題を、一面的な価値を押し付けることなく様々な登場人物の視点で丁寧にテンポ良く描かれていたのが好印象。
- 出産は親の身勝手なのか、という切実な問いは特に卵子提供を選択肢にしている私にとってはかなり考えさせられる内容でもあった。
8「いるいないみらい」
- こどもがいる、いない、ほしい、いらない様々な価値観の主人公を描いた短編集
9「四十歳、未婚出産」
- 人々が抱えるリアルをうまく切り取ってエンタメにしてしまう垣谷さんらしい作品
- 40歳にしての思わぬ妊娠~に関してはちょっと出来すぎではあるけど
番外編「禁断のパンダ」
- えーっと、番外編です。ミステリーです。当時結構衝撃を受けた作品で今も本棚にいる。
- なんでこのテーマに登場するのかは最後まで読むと分かります・・ふふふ。。
エンタメ作品とはいえ、テーマがテーマなので、正直賛否両論なものが多いとは思います。また、ここに記載のない作品でもわりと有名なものもありますが、違和感があったり後味の悪いものはご紹介していません。あくまで個人的におすすめできるもの選びました。
妊活や出産とあまり関係のない方にこういう世界があることをご理解いただくには、とっつきやすいかもしれません。活字が好きな方は、ちょっとした息抜きにぜひ!
ちょっと毛色が違うのでこちらでは紹介していませんが、以下は番外編として。