めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

Twitterアカウントにみる日本の不妊治療コミュニティの精神性

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私も利用しているTwitterでの妊活・不妊治療アカウントについて、前々からその特殊性が気になっており、袋叩きに合うことを覚悟で(笑)切り込んでみることに!

って、思わず大学生のレポートみたいなタイトル付けちゃったよ(笑)

他者とのつながりが薄い不妊治療

なぜ日本の不妊治療事情がなかなかオープンにならないのかということをずっと考えています。

政策やメディアの責任ももちろんあると思うんだけど、治療している当事者の感性みたいなものも影響してるんじゃないか、と感じるわけです。

それがTwitterなどのSNSのアカウントを「治療中」と「治療後」で分けるという行為。ずーっと、当たり前になされている感じに疑問を持っていたのですよね。

それに加えて、「陽性出たのにアカウント変えませんって言ってる人うざい」とか「妊婦のツイートにいいねするのやめてほしいこっちまで不快」というツイートが時々出ているのが実態。

一方で、「心拍確認までココにいさせてください、不快にさせてごめんなさい」というツイート、それに対して「妊娠を素直に喜べばいいのに、気を使っているようにしてるのが逆に腹立つ」という流れも何度か見てきました。(7年くらい同じアカウント使ってるのでいろいろ見えます(笑))

正直に申して、この精神性って異常だと思う。そして、それがスルーされてるのも気持ち悪い。でも、これは本人の性格や考え方だけの問題ではなくて、日本の不妊治療の閉塞感や無理ゲーすぎる環境が影響してると思うのです。

今回は、海外や似たような状況と比較する形でちょっと考察してみたいと思います。

どこの国でも不妊治療が特殊なのか?

これは当ブログの記事でもご紹介している海外の不妊治療ブログや 不妊治療や妊娠に関連する TED Talks 書籍「OPTION B」からも分かるとおりなのですが、アメリカやイギリスであっても「辛い話題、しんどい話」が喜んで受け入れられる風土なわけじゃないんですよね。

不妊治療の苦労や流産などの経験を話すことのハードルは海外でもある。これが大前提です。

もちろん、一般的な理解や社会的なサポートという意味では、日本の遥か先をいく国は多いけれど、開けっぴろげにどんな話もWELCOME!ってわけではないのかなと感じています。(ちょっとフランスとか北欧とか言語が読めないので探れてない部分もありますが)

アカウントを妊娠前後で分けるのは日本だけ

じゃあ海外のTwitterでも日本と同じようにステイタスによってアカウントを使い分けるのが一般的なのか?

私が最も疑問を持っていた点なので、海外のアカウントを調べてみました。

具体的にはIVF経験者の英、米、豪の方々を何人かをフォローしてみたり、遡ってツイートを確認してみたのですが、ほとんどの方が治療中の話からそのまま陽性の検査薬の画像が出て、エコー画像が出て、そのままマタニティフォトや生まれたベビーが出てくるわけですよ。

要は英語圏では同じアカウントのまま、不妊治療からそのまま育児アカウントにステイタスが変わってくようです。

(100%がそうではないと思いますけどね)

日本の不妊治療の卒業と共に「アカウントを移行する」という文化とは違うらしい。日本はTwitterだけじゃなく、アメブロもそうですよね。

【訂正】アメブロの方がブログジャンルを変更するという概念があって分別されてるので、妊娠して更新をやめたり別のアカウントにする方もいるが、そのままジャンルを変更して使う方も多いようです。ジャンル変更の場合、読者登録は特に変更なし。

日本という文化が特殊なのか?

このベースには、日本のTwitterユーザーが特に「複数アカウントを使い分ける傾向」にあることが挙げられるとは思います。

海外でもアカウントの使い分けは行なわれていますが、「仕事」「プライベート」「趣味」といった大きなカテゴリーの異なるものを分けるという意味合いが強いようで、記事を読んでもそのような主旨の説明ばかりでした。

日本では特に若年層がアカウントを細分化させる傾向が強いようで、「高校用」「大学用」「社会人用」としてコミュニティを分けたり、もっと細分化したサブアカウントを使用されているケースもあるようです。

ただ、これらはあくまでコミュニティを分ける目的を主に分類化しているものであって妊活でよく見る「卒業=アカウント移行による旧アカウントの実質停止」を意味するものというわけではなさそうなんですよね。

状況が類似している「婚活」分野は?

では妊活と似たような「婚活」はどうなのでしょうか?環境的にはかなり近い。

交際がスタートすれば「婚活」は終了し、日常が変わっていくわけですが、まだ恋人のいない人からしたらつらいってこともありますし、恋人のちょっとしたグチさえ自慢のように見えたりもするそうです。もちろん知りたい情報も結婚関連や同棲関連に変わっていくでしょう。まったく持って妊活に類似しています。

じゃあ、妊活同様に交際開始と共にアカウント移行なんてあるのか、婚活アカのフォロワーさんに聞いてみたところ(突然のDMに素晴らしい解説ありがとう!)

交際や結婚したからといって婚活アカから新婚アカという別のアカウントを作るというのは一般的じゃないと思う。

ただ、ちゃんとステイタスが変わることを報告し、フォローを外すなり、なんなりとご対応くださいね~という宣言はする方はいます。

というお答え。やっぱそうよね。

つまり、海外と比較すると言われがちな日本人は「相手に配慮できる文化があるから」とかいうのって、実際説明にならないと思うんですよ。婚活と妊活の間で、急に人間変わるの?そんなわけないですよね・・(笑)

私の感じてる違和感

事実を並べて比較してみて思うわけです。

こういう日本の不妊治療アカウントの精神性って、不思議じゃないですか?別に良いも悪いもないんですけど、ただ、変わってんなーーと感じる。

他のコミュニティと比較して異常なほどに周囲に配慮しまくりなの?その配慮を元に作られた空気感って本当に配慮になってる??

別にTwitterの仕様上は、同じアカウントを継続して使っていたとしても、見たくな方はフォローを外しても、ミュートしても、ブロックしてもOKなのにも関わらず(というか、それこそがTwitterだけど)、多くの場合、卒業する側がアカウントを新設するわけですよね。

むしろこのままアカウント使いますって言う方が配慮がないと思われてる節もあるし、陽性が出た方がこのまましばらくこのアカウントを使わせてください、不快にさせてごめんなさいと謝ったりする。

私の感じてる違和感はこれだと思う。別に好きに使っていいはずなのに、妊娠の話がしづらいと感じるのはなぜ???それが主流になってるからじゃないの?

そして、ほとんどの人が配慮しようと思うのは自分も嫌だったとか人が嫌がっているのを感じた経験があるからではないの?

しかもほとんどの場合、アカウントは「移行」と呼ばれ旧アカは使われなくなる。ひねくれた見方をすれば、卒業する側が、もう不妊の君達の情報は必要ないからってことなのかしら(言いすぎか・・)。

つまりさ、両方使い続けるという人はレアという事実も含めると、新アカウントを作ってそれをフォローする人しない人がいるのと、旧アカウントのフォロワーが整理されるって、結局やってることは同じじゃないの?と思うだけなんですけどね。。

(それよりTwitterさん、他人のいいねやリプはTLに表示されないように仕様変更してほしいわ。リツイート機能の意味とは・・・)

それこそ「妊娠した人のツイートなんて不快にさせるかもだし、もうフォローはしないと思うので、お手を煩わせないようにこちらでアカウント変えますね」みたいな前提に成り立ってるような気がするのよ。なにそれ。

不妊治療って椅子取りゲームじゃないので、他人の妊娠や出産って根本的には自分達には影響ゼロよな…。もちろん落ち込むってことは時にはありますけどね~。

別に継続したい人はしていいし、変えたい人は変えればいい。人それぞれで好きな使い方でいいじゃん、まして謝る必要なんてないじゃん…それに対して不快感を出したり、文句を言うのは違うと思う。

不妊治療と妊娠・出産・育児を分断してる場合じゃない

なんでこんな事を思ったかと言うと、この治療中と治療後の分断が不妊治療をずっとマイノリティにしている要因の一つだろうなと思ったから。

私達が抱える「子ども」にまつわる社会的な課題は種類は違えど、大局的には明らかに「共通課題」だと思うんですよ。

不妊治療だけじゃなく、保育園、児童虐待、産科医不足、養子縁組の少なさ、男性の家庭進出の遅れ・・・何もかも、社会は「子ども」=「未来」に関することだらけじゃん。

未だ政治的に見ればそれぞれが弱小の世界にも関わらず、分断されてしまうことによる損失たるや。

正直、不妊治療をしているからといって妊婦さんや育児中の夫婦をひがんでいる場合ではないし(明日はわが身よ)、反対に育児中の方が産めていない人を蚊帳の外に追いやってる場合でもない。

個人的にはそういう意味で、妊娠にせよ、治療をやめるにせよ、不妊治療を卒業された方がそのまま不妊治療という世界観の中にも居続けることによって、知識や意見の共有だったり、表と裏のつながりを作り出せるんじゃないのか?と思わなくはない。もったいないのかもなーと。

感情論を挟むとそういう簡単な話でもないことはもちろん良くわかるんだけどね。私もそう言ってても黒い感情は出る時あるし。まー、みんなホントはそう思えたら生きやすいことくらいわかってるんだよね。

正直ぜんぶ、精神的に追い詰められる日本の不妊治療環境のせいだ!

釈迦に説法してもしゃーないし、どーでもいいちゃどーでもいい話ですが。