World Cup Russia大会が開幕してから私のTwitterのサッカー率が高くなってちょっと引いてる方もいらっしゃるかもしれないので、個人的なサッカー歴となぜサッカーが人気なのか、なぜ世界がWorld Cupに熱狂するのかを勝手な解釈で解説します。
日本代表も下馬評を覆し、ベスト16というお土産と、素晴らしい試合を魅せてくれましたね。ベスト8がほぼ出揃い、ますますの盛り上がりを見せていますので、興味持ってもらえたら嬉しい!
競技者からみたサッカーの魅力
- 手を使えないという絶妙な難易度
- ルールが比較的シンプル
- ボール1つで誰でもできる
- 体格をテクニックで補える
- 成功する夢が描ける
手を使えないという絶妙な難易度
手を使えない球技ってサッカー(キーパー除く)とセパタクローくらいじゃないですかね・・できないことはない、でも思い通りに操るのは難しい。
それが絶妙な難易度が、この競技のミソなのです。
ルールが比較的シンプル
ルールがわかんないからつまらないとか言ってる方、まてまて、サッカーほどルールが少ない競技ってめずらしいのよ?
基本は手を使わずに相手のゴールにボールを入れたら1点。ズルい行為はしちゃだめ。以上。
- キーパー以外は手を使っちゃだめ
- 危険なボディコンタクトは反則だよ
- 審判が「それは度が過ぎている」と判断したらカードの警告がある
- イエローカードは黄色信号、1試合2枚で退場、レッドカードは一発退場
- もしゴールの近くで上記の反則しちゃったら相手にPKだからね(なぜなら反則がなければゴールチャンスだったから)
- PK=ペナルティキック(文字通り罰則の代替としてゴール前の有利な条件で蹴れる)
- FK=フリーキック(ゴールエリア以外でディフェンスなしのフリー状態で蹴れる)
- CK=コーナーキック(フリーキックのゴールライン版)
- コートの外にボールが出たら、ボールを出していないチームのものだよ(ただし、その時は手を使っていいので両手で投げ入れてね)
- オフサイド=要は待ち伏せして点取っちゃうのはズルいからだめよ
- 45分ハーフの90分勝負
- 試合が終わって同点だったらPKで勝敗を決めよう
- 反則のカードが溜まったら同じ大会の次の試合には出れないよ
ざっくりこんなもんですかね。さすがイギリス発祥、非紳士的な行為には厳しい罰則、という感じ。
とはいえ、どれも団体球技なら基本になるようなルールです。オフサイドもラグビーだってアメフトにもホッケーにもありますし、野球やバスケはもっと細かいルールが多いですよね。
ボール1つで誰でもできる
世界的に人気の理由は間違いなくこれです。ボールさえあれば自分で好きなだけ練習できる。裕福でない家庭でも、とにかくボールさえあれば、その技術を磨いて上達することができるんですよね。
だからとにかく初期投資が少なくても始められるスポーツっていうのがポイントだと思います。
体格をテクニックで補える
個人的に一番大事なのはこれじゃないかな。バレーやバスケに代表されるように、多くのスポーツが身体の大きさや体格がとても重要な要素になりますよね。
サッカーもDFやキーパーは身体の大きい人が有利であることは間違いないですが、逆に小柄な選手でも技術が高かったりスピードがあれば十分に活躍できる、これがサッカーなんです。
つまり、自分の努力でいくらでも上にいける。可能性を広げることができる。これが競技を続けていくには本当に魅力じゃないかなと思います。
成功する夢が描ける
そんな誰でも取り組みやすいスポーツは、商業的にも大成功しているので、プロとしてすごい金額を稼げる可能性があります。このシンデレラストーリー感はものすごい。
今トップチームで活躍する南米やアフリカ出身の選手も「子どもの頃は裸足でボールを蹴っていた」的な逸話はわんさか出てきます。
もちろんある程度の才能も必要でしょうが、努力次第でそんな成功を手にする可能性があるって、やっぱり魅力的ですよね。
観戦者からみたサッカーの魅力
そんなこんなで、世界中の誰もが取り組みやすいスポーツであって、自分次第でヒーローになれる競技なので、とにかく競技レベルはどんどん向上します。
競合国、優勝候補といって何カ国も名前が挙がるような競技ってかなり珍しいですよね。それくらい高いレベルで各国が拮抗している。
バスケも、野球も、ラグビーも、バレーボールも、陸上も、特定の国ではすごく人気があったりするけれども、サッカーほど多くの国で人気の競技というのはありません。それは絶対断言できます。
ワールドカップは、そんなサッカーが人気でレベルが高い国同士が闘う舞台。それが観る側にとっての魅力になるのです。
- ジャイアントキリング(下克上)がよく起きる
- World Cupという国別のガチな世界一を決める大会が1つだけある
ジャイアントキリング(下克上)が起きる
例えばテニスやラグビーはとにかく格上の相手に勝つのが難しい競技といわれます。それだけ、奇跡が起きづらい。
でも、サッカーは「1点」を争う競技なので、往々にしてジャイアントキリングが起こり得るのです。もしかすると地力の差が必ずしも結果とイコールにはならない最たる競技かもしれません。
欧州トップリーグで活躍する選手集団の国がW杯予選で敗退することもありますし、ロシアW杯で日本がコロンビアに勝利したこと、アイスランドがアルゼンチンと引き分けた事、メキシコがドイツに勝利したこと、モロッコがスペインを追い詰めたこと、韓国がドイツを撃破したこと・・もやは下馬評もへったくれもありません。
日本で例えるなら、卓球で中国に勝つとか、短距離走でアメリカやジャマイカに勝つとか、逆に柔道で負けるとか、みんなが想像すらしていないようなことが全然起きるんです。本当夢がありますよねー。
一体誰がこんな結果を予想してた?!と思われるような事態がWorld Cupではよく起こりますし、特に今大会は本当に多く、ランキングの差からは想像できない、「奇跡」と言われるような好ゲームが続いていますね。
しかも、前述の通り世界に強豪チームがわんさかあって、W杯の前回優勝チームは1次リーグで敗退するなんてジンクスもあるほど。今大会も前回王者のドイツがまさかの敗退でしたね。
これはサッカーにおいて各国の力の差が縮まってきていることも一因だとは思いますが、決して一人の技術だけでは勝つことができないチームスポーツならではの面白さだと思います。
World Cupという国別のガチな世界一を決める大会が4年に1回だけある
もう一つサッカーがうまくできているのは「国のトップが集まる統一大会は4年に一度のWorld Cupのみ」にしていること。そしてその大会にはFIFA加盟200強の国のうち「32カ国しか出場できない」こと。
そのためにオリンピックさえ年齢制限を設けてユース大会みたいにしちゃってるわけですよ。世界大会が毎年ある競技やプロは出場できない競技とも一線を画した、商業プロスポーツとしての土台をいかんなく活用している仕組みだと思うんですよね。
そうなると国vs国という構図が鮮明になって、W杯出場すればお祭り状態、そこで勝ったら大フィーバーと、まぁ盛り上がることになるわけです。たしか昔、W杯予選をきっかけにホンジュラスとエルサルバドルって戦争みたいになりましたよね・・あれは行き過ぎだけど、それくらい熱狂させることになる、と。
世界中がW杯に熱狂するのはこのサッカーという下克上可能な競技の魅力と、大会の重みが理由。そこまでW杯を「特別」にしたのはFIFAのやり方がすごい巧妙だったなぁと思います。
日本代表の試合について僭越ながら意見しております。
自分のことも話しますと・・・
ところで、お前誰だよ、と言われそうなんで、一応。
私が小学生の頃Jリーグが発足して、元々スポーツ観戦の多い家庭で父もサッカー好きだったので、毎年元旦は天皇杯だし、Jリーグの試合も見るし、代表戦もドーハの悲劇もジョホールバルの歓喜も、もちろん五輪やアジアカップもだいたい観て育ちました。
その後、高校生くらいで地元チームがJ1昇格を争うくらいからスタジアム観戦するようになって、大学生の時横浜に住んでマリノス好きになって、暇な時は練習まで観にいってました(笑)つまり、ベースにあるのは「地元のサッカーチーム」なんです。
大学生の時ちょうど日韓W杯があって、自国開催をこれでもかと満喫しました。大会ボランティアもしたし、決勝の日、新横浜でいろんな国の人と写真撮りまくったのはいい思い出。
それで、サッカーならやっぱスペイン語だよなぁと第二外国語にして、ちゃっかり語学留学し、サンチャゴ・ベルナベウでレアルの試合を観て鳥肌が立つほど感動。向こうのサッカースタジアムって半端ないのよ、観客席の傾斜と観やすさが、あと人の熱量が。
そこでJリーグだけじゃないというかむしろ海外リーグすげぇ…ってなったあたりで、ポンポンと海外移籍する選手が増えて・・今に至ります。現在は特定のチームは応援してないけど、足掛け20年、筋金入りのサッカーファンですww
とはいえ、海外リーグ、特にリーガエスパニョーラがやっぱり好きなので、その試合で見られるようなテンポの速いパスサッカーこそが美しいと信じています。ロングボールとか使うのは高身長のチームだけにしとけ、日本人がそれをやっちゃ勝てない、と思っているタイプです。だからそういうスタイルを体現する選手が好きです。
数年前バルセロナに旅行した時はちょうどバルサのホームゲームがなかったので、次は18歳になった久保くん(現:横浜Fマリノス)がリーガに戻って、活躍する姿をカンプノウで観たいなって思ってます!(笑)
だから、日本代表はもちろん応援してるし勝って欲しいけど、他の国同士の試合を観るのも大好きだし、どんな結果も楽しめるのです。
自分の視点でいろんな楽しみ方ができるので、ぜひぜひ残りのWorld Cupを楽しみましょー!!!