めありずむ

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【本から学ぶ -vol.1】「限りなく完璧に近い人々」北欧絶賛の風潮に隠れた現実を知る

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北欧って、税金は高いけどそれ以上の高福祉国家で幸福度がめちゃくちゃ高い理想郷だと思ってたんだけどーーーー。

最近いくつか書籍を読んで「マジか・・!!」と驚くことが起こっているので【本から学ぶ】というそのまんまな企画を立ち上げてみました。好き勝手に脳内を垂れ流して、ブログメディアとしては迷走中です!!(笑)

【本から学ぶ】のシリーズでやること 

  • 書籍を読んで、知らなかった!!と驚いたことやほんまかいな?と思ったことを書籍の論旨をまとめた上で、他ソースも交えて調べてみる
  • 真実の追求に重点を置くのではなく、そういった状況から自分が学んだこと、心得ておきたいと思ったことを発表

今回の書籍は「限りなく完璧に近い人々 - なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?-」

いやぁ、本当にメディアによる刷り込みとそのイメージを引きずった思い込みってのは恐ろしいもんだなぁと改めて思いましたな。

北欧の生活が世界で一番幸せというのは本当か?住んでみると違和感があるんだが?という視点からデンマーク在住のイギリス人ジャーナリストがその「幸福論」の謎に迫った一冊。

今回のテーマは、こちらの「限りなく完璧に近い人々」をフックにいろいろ吸収したものをアウトプットしたいと思います。

限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?

限りなく完璧に近い人々 なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?

 

現地を知るからこそ抱く違和感、そこから展開される検証や調査。こういうライター、ジャーナリストの目って本当に重要なんだなぁと再認識。黒い権力やら私利私欲やらにまみれたメディアとは一線を画しますね。(もちろん本当にヤバいヤツは書籍化を潰されることもあるんだろうけど)

手に取るのを躊躇する分厚さではありますが、ノンフィクションの書籍としての価値は高い!

1. 北欧って人類の理想郷じゃなかったの?

北欧諸国のイメージと言ったらたぶん世界中の共通認識としてこんな感じですよね。

  • 税金は高いが充実した福祉が存在
  • 経済は概ね堅調でしかも労働時間が短い
  • 民主的で腐敗の少ない政府
  • 社会でも家庭でも男女平等が当たり前に徹底されている
  • シンプルでオシャレな家具が溢れる暮らし
  • 夏休みは平均1ヶ月で、多くの国民が郊外に別荘を所有している
  • 国民幸福度調査では常に北欧諸国が上位を独占

実に羨ましい限り。

不妊治療を例にとっても、体外受精などの高度生殖医療も全額保険でカバーされたり、当然の選択肢として国民に理解が広がっていたり、日本とは雲泥の差です。

このような現状を受け、高負担、高福祉国家である北欧諸国を自国のモデルとするべきだという意見が根強く存在するわけですね。これは日本に限ったことじゃなくて、世界中でそう言われているようです。

しかし、本当に北欧諸国は地上の楽園なのか?と巷にあふれる北欧の国々の幸福神話に疑問を持ったのが著者のマイケル・ブース。(ちなみにこの方の日本食べ歩き紀行も面白いですよー)

英国一家、日本を食べる 上 (角川文庫)

英国一家、日本を食べる 上 (角川文庫)

 

決して北欧を蔑んでるわけではなくて、優れた部分をちゃんと書いているから信用がおけると感じました。

2. まずは、幸福度ランキングを確認してみよう・・・

国連の国民幸福度調査2018のランキング結果ですね。

第1位: フィンランド
第2位: ノルウェー
第3位: デンマーク
第4位: アイスランド
第5位: スイス
第6位: オランダ
第7位: カナダ
第8位: ニュージーランド
第9位: スウェーデン
第10位: オーストラリア
第11位: イスラエル
第12位: オーストリア
第13位: コスタリカ
第14位: アイルランド
第15位: ドイツ
第16位: ベルギー
第17位: ルクセンブルク
第18位: アメリカ合衆国
第19位: イギリス
第20位: アラブ首長国連邦

出典ソース:https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2018/WHR_web.pdf

最新の調査でもまぁお見事なまでに北欧の国が上位を独占。アジアの国なんて1国もないからね、もう悲しいですね。っていうか、この傾向って調査開始以来ずっと継続してると思います。

ま、幸福という基準に個人差があるものを調査してる時点で片手落ちであることは否めないけどそれは置いといて。

ほら、やっぱり北欧ってめちゃくちゃ人民が自分の人生に満足してる幸せな人たちなんだよねぇ??

3. 読んでびっくり「北欧の別の顔」

ところが、どうもそういうわけでもないらしい。ほんとは国別に展開されているのですが、ここでは5カ国まとめて書いちゃいますね。

  • 異常に高い自殺率、処方薬の上位は向精神薬の名前が並ぶ精神疾患大国
  • 銃の所有率が世界トップクラスで殺人発生率は西ヨーロッパエリアで最高
  • 労働人口の20%は働いていない(失業保険が手厚ぎて働かない人が出る)
  • 悪びれもない人種差別が横行、屁理屈の塊
  • 多くの世帯が貯蓄ゼロどころか借金まみれ(そしてその事を気にしていない)

とまぁ、え?そうなの?と思うようなことがわんさか出てくるわけです。

この情報だけを見たら、「世界一幸せそうだ!」なんて思えなくないですか・・・。

高福祉国家の弱点というのが見えてくる気がしました。自国が本当に目指すべき国家の形なのか?というのはやはり検証の必要がありそうです。

4. このカラクリは少しずつ見えてきている

そしてこのタイミングで偶然聴いたのがこちらのPodcast、ちょっと似たような視点で、なぜ北欧諸国は幸福度が高いのか?というカラクリに迫っています。

イギリスで不妊治療がうまく行かなかった女性がデンマークに移り住んで今は3児の母なんだそーな。

要は、なーんか別に手放しで褒められるような楽園ってほどでもないのに世界が勝手に北欧は最高って仕立て上げちゃってるんだよな、ってことが、徐々に見えてきてるんだなぁという印象を持ちました。

5. ではなぜ北欧諸国の幸福度は高いのか?

結局ね、じゃあその「カラクリ」ってやつは何なのか?というと、

  • めちゃくちゃ「刹那的で楽観的」な人生観
  • 圧倒的な「寛容性、容認性」の高さ
  • 幸せな国民であり続けるというプライド

このあたりが、ランキング上位独占を支えているのだと読み取れるのかなと。表面上の「高福祉やとか平等性の担保」がドンピシャな理由とは限らないってことね。

ただ、それでもやっぱり学ぶべき、そして真似るべき価値観や文化もあるなと思う。

特に「社会のルールを破ったり、失敗した人」にも寛大である(再起のチャンスが与えられる)点や、細かいことは気にしない精神は「幸福感」の根底に流れているのだろうなと、そしてすごく日本社会に足りてない部分なんじゃないかなーと。

それに生産性の高さなり、合理的な社会システムなり、本当の意味での男女平等というのはやはり真似してほしいし、すべきだと思う。もちろん不妊治療への手厚い保障も。

6. vol.1 - 今回の学び

1. メディアが作り込んで垂れ流すだけの情報など鵜呑みにしてはいかん。

2. 物事には裏表がある。常識や通説を疑え。

3. 北欧の優れた点だけを真似すべし。

ってまぁ、書籍によるインプットを有益なものにするにはどんな使い方がいいのかなと考えてるところなので、ただのレビューじゃなくて、自分なりに解釈してアウトプットするというやり方にしてみました。

1記事3000字以内に収めるのが目標なのでvol.1はこれにて完!