めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

KLCの遺伝カウンセリング結果(染色体の相互転座について)

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先週、KLC(加藤レディスクリニック)の遺伝カウンセリングを受けてきました。この相互転座(染色体異常)に対するKLCの対応・方針はある程度納得感のあるものでしたが、正直「お手上げ」だなと思っています。

 

準備していくもの

  • 染色体検査、不育症検査等の結果のコピー(他院で検査した場合)
  • 簡単な家計図(両親、兄弟、祖父母、叔父叔母、いとこ)とそれぞれの年齢、子どもの有無、大きな病気の有無をまとめたもの
  • 5000円程のカウンセリング費用
  • 予約は「その他:当院指定の来院」というカテゴリでKLC側で取ってくれた

当日の流れ

9:30 受付(診察と同じように再診機で受付)そのまま4階で待つ。

9:43 9F待合室で待機指示

9:50 9F問診室(培養士さんとかとお話する部屋です)

専門の黒田先生と約1.5時間、私たちの方から質問が出なくなるまでたっぷりお話していただきました。相互転座の概論的な説明と、今後の治療方針についてがメインでした。内容については以下に別枠で記載します。

11:50 お会計

本日の所要時間:2時間20分

お会計:5,400円

相互転座の概要について

  • 相互転座(均衡型転座)の発生は200組に1組
  • 染色体は人間の設計図のようなもので、相互転座はいわば家の柱が入れ替わって建築されたような状態。しかし、必要な構造を満たしているので、壊れるようなことはない
  • しかし、受精卵を作る時に転座のある染色体が組み合わさってしまうと染色体異常となってしまう
  • 染色体正常な場合にできる染色体の組み合わせが1通りなのに対し、転座がある場合には16通りの組み合わせが発生し得る
  • その16通りのうち2通りは発生確率は低いが、残りの14通りは染色体異常な場合でも胚盤胞までは育ってしまうケースも少なくない(その場合初期流産となる)
  • 16通りのうち産まれて来れるのは2通りのみ、1通りは染色体正常、1通りは転座
  • それぞれの染色体の組み合わせの発生はサイコロのように同等の確率ではないが、そのうち2通りはほとんど発生し得ない
  • 個人差はあるが、相互転座がある場合、正常胚率は同年齢の女性の約半分程度
  • 産まれることができる染色体の確率は染色体の発生パターンからは25~30%と想定されるが、実際は転座とは無関係の染色体異常も存在するため通常の治療による妊娠率より2~3割下がると思われ(IVFにおける移植に対する妊娠率が30%なら20~25%に減少程度)、私たちの場合は更に低下する可能性がある
  • 産まれることができる胚の場合の疾病、染色体異常リスクは正常な場合と同等

着床前診断(旧PGD)について

  • 着床前スクリーニングと違って転座の対象となる染色体を狙って検査するやり方
  • 3日目の胚で検査するFISH法を採用している(胚盤胞ではない)
  • よって正常卵でも胚盤胞まで育たない場合には凍結・移植できない
  • 受精卵に大きなダメージを与えるため、リスクもある
  • 着床前診断は100%の精度ではない(5%程度外れる)
  • ほとんどの染色体異常パターンは見つけることができるが、組み合わせによっては異常を察知できないケースもある

着床前診断を受ける条件

  • 相互転座があること
  • 2回以上流産していること (←私達は該当しない、また胎児に疾患が見つかり中絶した場合もカウントされない)
  • 不育症の検査で異常がないこと(転座による流産でなければならない)
  • 胎児の染色体が夫婦からきているものであると証明できること

今後の治療方針

  • これまでの治療経過を見る限り、染色体の転座以外にも卵子の質が年齢よりも悪い何らかの原因がある可能性が高いが、ここが現在の医学の限界で、基礎体温、ホルモン値などに大きな問題がないため、これ以上血液検査等をしても染色体異常が多い(卵子の質が悪い)原因が明らかになる可能性は低い
  • つまり私達の場合、不妊の原因は「相互転座」+「それ以外の何らかの原因による染色体異常」のダブルで存在している可能性が高いが、どちらも治療的対処法はない
  • とにかく2回の流産が認められれば着床前診断の対象にできる可能性が高いので、まずもう一度妊娠できる受精卵を得ることが先決。その妊娠でうまくいくのがベストだが、もしダメでも着床前診断の可能性が開かれる
  • 目安としては10個凍結胚胚盤胞があれば出産までいける受精卵が含まれる確率が上がると考える(転座がない人の2~3倍)
  • 私の卵巣機能が年齢相応か少し高めであることから、高刺激は3回程度が限度と想定されるため、高刺激はおすすめできない(KLCの方針として)
  • 着床前スクリーニングの効果自体は認められるが、胚盤胞が対象であり、今の状態で高刺激で採卵しても胚盤胞がたくさん得られる可能性はあまりなく、劇的な成果をあげられるとは考えにくい(胚盤胞まではちゃんと育つのに妊娠しないという人にならば有効と考える)
  • 不育症の可能性は高くはないがあり得ないわけではないが、検査はKLCでは行っていないため、できる病院で検査を行うこと自体は問題ない

結論

私達の受精卵に染色体異常が多い原因は相互転座だけじゃなく他の原因がありそうだけど、何かは調べようがない、だから妊娠の可能性は落ちるけど、採卵を続けてみるしかない 

  • そもそも胚盤胞ができなければ着床前スクリーニングさえできないので、まず成熟卵を取ってIVFができる状態を作ることが大事
  • カウフマン療法を挟んで劇的に卵巣機能が改善した例もあるのでやってみる価値はある
  • 上記2点を鑑み、9月にカウフマン療法、10月か11月に成熟卵を狙って採卵周期を試してみて、その結果により続けるか、転院するか判断する
  • ジョーはお金の続く限りやろうと言っているが、私の精神力が続くか疑問。どこまで時間と費用をかけるかについて、リミットの設定を家族会議で相談する予定

カウフマン療法とは・・・主にピルを服用して乱れた月経周期を修復し、卵巣を本来の状態に整える治療のこと。前周期の古い卵胞が残って(遺残卵胞)しまうと、新しい周期の卵胞より早く成長してしまうため、採卵しても変性卵や空胞が多く見られる。このような場合に、カウフマン療法により良好卵の回収率が大きく上昇すると言われている。

出産を諦めることはないけれど、茨の道であることは間違いなさそうです。どこまで精神力とお金が持つか・・・。

 

相互転座が発覚した時の記事 

 染色体検査を受けた時の記事