めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

望んだ時期に妊娠できなかった人のうち23%しか不妊治療を始めていない現実(HGPI:働く女性の健康増進に関する調査報告)

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なんかめちゃ長いタイトルを付けてしまったけど、タイトルだけでも中身が分かるようにしたかったから仕方ない!

日本医療政策機構による女性のヘルスリテラシーに関する調査 

先日HGPI(日本医療政策機構)の調査報告を調べていて見つけたものです。

最終報告書のPDFファイルはこちら!

https://hgpi.org/wp-content/uploads/1b0a5e05061baa3441756a25b2a4786c.pdf

 

HGPIはいやゆる中立系の医療シンクタンクで、医療に関連する調査や提言等を行なっている組織です。

そこから出ていた女性の健康増進と仕事に関する一般の働く女性への調査で、今回は「女性に関するヘルスリテラシーの高さが仕事のパフォーマンスの高さに関連している!」なんて気になる結果がいろいろと報告されています。

調査設計や分析手法はしっかりしているので、N数は女性2000人で統計的にも信頼のおける調査結果だと思います。

不妊治療に関する調査

私が一番気になったのは(もちろん)不妊治療に関する結果。

治療している立場からするとこれでもかというほど、各方面の人が日頃訴えている通り、そしてそれ以上に驚くような結果だなぁと思いました。

1.妊娠を希望した人のうち、望んだ時期に妊娠できなかった人が半数以上!

いいですか、欲しいと思った時にすぐ妊娠できる方なんて半分以下ですよ!

不妊治療はまだまだマイノリティかもしれませんが、妊活という言葉がすぐに浸透したという事実もあって、妊娠は奇跡であり、それなりに苦労している方が多いという事だと思います。

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(出典:HGPI「働く女性の健康増進調査2018」より抜粋)

2.ヘルスリテラシーの高い人は低い人の約2倍、不妊治療に取り組めた

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(出典:HGPI「働く女性の健康増進調査2018」より抜粋)

妊娠がいかに簡単ではないか知っていること、治療の必要性に関する理解が、早期の治療への後押しになるということは事実ということですね。

少子化がーと叫ぶのであれば、基礎として一般化するべき知識だと強く感じます。

(ま、私はわりとヘルスリテラシーは高い方だと思うのですが、30代前半で治療を始めても全然妊娠できてませんけどねーーーー(笑))

3.望んだ時期に妊娠できなかった時に不妊治療を始めた人はわずが23%!

これは正直、衝撃的な低さでした。子どもが欲しいのに妊娠しない、という事実があっても、1/4以下の人しか実際に治療を開始しない(できていない)なんて!!

もちろんこの中には通院せずとも結果的に妊娠できた方も含まれるとは思いますが、今不妊治療で辛い思いをしている人は、子どもができないと悩む人のまだほんの一部、氷山の一角なのかもしれません。

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(出典:HGPI「働く女性の健康増進調査2018」より抜粋)

  • しかも、不妊治療を選択したかどうかは「パートナーとの性相談ができるかどうか」と有為に関連性がある!
  • 不妊治療を始めなかった理由の上位は「費用負担の大きさ」や「仕事と治療の両立が困難だから」
  • 不妊治療が必要になってしまったと思う理由の上位は「仕事との兼ね合いでタイミングを逃した」や「治療が必要な人はまれだと思っていたから」というものが上位を占める

示されたのは課題が山積みであるという現実

この調査結果から示されることはざっくり言うと以下のようなことだと思います。

  • 男女問わずそもそも「妊娠・出産・不妊治療」に関する知識レベル・認知度が低い
  • パートナーと「性や妊娠」についてコミュニケーションが取れない人が一定数いる
  • 不妊治療に関する費用負担の大きさ
  • 不妊治療に関する仕事との両立の難しさ
  • 不妊治療に対する周囲の理解のなさ

つまり、そもそも社会全体で、性や妊娠、不妊治療に関する理解・認識がなさすぎるという結果が如実に表れているわけです。

もちろん誰でもすぐに不妊治療すれば良いという話ではないけれど、何が言いたいかというと、不妊治療というのは、このような形で社会に対してとっくに提言がされてるようなことなんですよ!ということ。

政府も、行政も、企業も、学校も、一般人もそろそろ気づいて、ちゃんと取り組んでや!!!ということ。

課題に取り組んでいる方々

でも、そう願うだけで、決して何も動いていないわけではないんです。

私の知る限りでもたくさんの方が、この現状を変えようと様々な角度から試行錯誤を始めています。

今日は数名ですが、そんなたくさん紹介したい方々の中でも特に知っていただきたい、私の尊敬する方を勝手にご紹介させていただきます!

 

「性や妊娠に関する知識がない」「妊活や不妊治療に対する男性の理解が得にくい」という課題に現在真っ向から取り組んでいらっしゃるのが吉川雄司さん。

「不妊治療を身近な選択肢に」すべく活動されているぽころぐさんご夫婦。ブログは不妊治療の「いろは」も知ることができます!

アサーティブコミュニケーション講師で不妊治療の精神的な部分を分かりやすく解説したり、優しい言葉を通じて夫婦間のコミュニケーションをサポートしてくれるさな吉さん。

そして、不妊治療の費用負担の低減と治療成績の向上、社会的な認知向上のため、不妊治療の保険適用を実現するべく、オンライン署名活動とブログを通じていろいろ訴えているのがこのブログを書いているメアリー。

(自分のことも紹介するんかいという突っ込みはなしで(笑))

 

それから、不妊治療をサポートするNPO法人としては最大のFineさんも様々な取り組みをされていらっしゃいます。

 

ということで、こんな調査でも厳しい現実が見えたけど、これからも頑張る!!!

なんか頑張る宣言みたいになったけど、いろんな角度からそれぞれが波状攻撃で社会に対して声を届けていけたらいいな、と思っています。