GLCでの不妊検査でフーナーテストのみ不良だったため、私たち夫婦はタイミング法は行わず人工授精(AIH)から本格的に不妊治療を開始しました。治療期間は2016年5月~2017年7月の14ヶ月間で、AIH自体は12回実施しました。
1周期あたりのスケジュール
- D14:卵胞チェック(排卵時期を予測するための卵胞サイズ計測)
- D16:卵胞チェック + hcg注射(36時間以内に排卵させるため + 排卵後のホルモンを補うため)
- D17:AIH実施(抗生剤服用(2日間)、2日後から黄体ホルモン補充のためのルトラール服用)
- D31頃:リセット予定日(GLCでは妊娠判定はなく、予定を1週間過ぎてもリセットしない場合のみ妊娠判定に来るように、との指示でした)
毎月定期的に排卵があり、基礎体温も二層、ホルモン値も問題ないため、排卵までは特に通院はありませんでした。基本月に3回の通院、最初の卵胞チェックですでに排卵直前だったりすると月に2回の通院だけだったこともあります。
私の場合は排卵が少し遅めのD17前後が多かったため、D14で最初の卵胞チェックをしていますが、人によってはもっと早いことが多いと思います。個人差、周期差がありますので参考程度にご覧ください。
排卵日の特定について
AIHで最も重要なのは言うまでもなく排卵日をどのように見極めるかです。
私の場合教科書通りではなく、D14時点で18×19ミリくらいには育っていてもそこから排卵まで3-4日かかるという後半失速型でした。AIH当日でも排卵済みだったことは一度もなく、AIH当日の計測(排卵直前)で24×24ミリというサイズ感が多かったです。通常20ミリ前後で排卵と言われていますが、LHサージは全然低かったりするのでこれは血液検査でホルモン値を確認しないと医師でも見極めは難しいだろうな、という感じでした。
しかし、AIHではLHサージを血液検査することは一度もなかったため、GLCでそのこと(私の排卵は一般より遅れること)を理解してもらうまでに3-4周期かかってしまいました。(IVFでは排卵日をより高精度に予測するためホルモン値検査をします)
「今日排卵痛が始まった」と説明しても「排卵痛は排卵後に起こることが通常なのでもう排卵済みかもしれません」とか、結構一般論で話されることが多く、人の身体はそれぞれなのにな、と思うことが何度かありました。
おそらくですが医師はEvidence Basedであることを重視する治療方針を取られているので、より多くの人に当てはまる事実があること、実際に有効だと認められていることを信用するという考え方のようです。これは良い点ももちろんありますが、全員にマッチするとは限らないので、そこが少し違和感を覚えるポイントになったのかなと感じます。
AIH当日の流れ
8:00 自宅で採精
8:45 クリニック到着・精子を受付で手渡す
10:00 処置室に呼ばれ、前室で下のみ脱衣(ちょっと寒い&マヌケ・・・)
10:05 処置台に横になってAIH
- 名前の確認
- エコーでの内膜・卵胞確認
- 消毒・AIH実施
- 5分間の安静
10:15 着替えて待合室に戻る
10:30 診察室で、精子の状態説明、服薬の説明
10:40 (AIH当日にhcg注射の場合は注射タイム)
10:50 お会計・薬の処方
午前中は30分単位でAIHの予約が可能です、ほぼ平日なのでジョーの出社に間に合うよう8:00頃までに自宅で採精をしてもらい、朝一の9:00に予約していました。
多少混んでいても精子の処理に1時間弱+処置+診察と合わせて2時間程度でしたので、午前休のみで午後は出社可能です。
AIHの期間は、1ヶ月のうち治療のための休暇取得は半休1回で済んでいました。
そういう意味では、AIHの時点では大げさに「不妊治療をしている」という意識は私自身にもあまりなかったような気がしますし、会社(上司)にも報告していませんでした。
AIHでの妊娠率と結果
AIHでの妊娠率はその方法からもわかるように自然妊娠とほぼ同じです。GLCでも産婦人科学会に提出される全国平均と同じという説明でした。
私の場合もその例に漏れず(?)、4回目のAIHで初めて陽性反応が出ました。
5週で流れてしまいましたが、自分が「着床」「妊娠」できる身体であると知ることができたのは大きな成果だったと思います。
それと同時にAIHで妊娠の可能性があるだろうと、その後も結果が出ないAIHを継続してしまうことにもなりましたし、自然に近い形で妊娠できる=明確な原因がない ということにもなり、それはそれで悩みの種にもなりました。
妊娠周期については以下の記事もご参照ください。
ルトラールの効能・副作用
GLCでは、AIH周期の黄体ホルモン補充にはルトラールを使用し、IVF(移植)の自然周期にはデュファストンを使用していました。
ルトラールの効果として高温期の体温は0.1~0.2ど高くなったと思います。(高温期の最高が36.8℃だったのが36.9~37℃になりました。低温期は変わっていません)また9
-10日程度しかなかった高温期そのものを12-3日まで安定的に継続できるようになりました。
ルトラールは、一般的には最初は副作用として妊娠初期症状に似た「気持ち悪さ、足の付け根の痛み、下腹部痛、胸の張り、眠気、倦怠感」などがあるが2.3ヶ月の服用で身体が慣れるため徐々になくなっていく、という説明が多いですが、私の場合は毎月毎月副作用に悩まされていました。陽性反応の時が一番副作用は軽かったように思われるので、私自身は副作用が強く出てくると「またダメか・・」というネガティブな印象を持つようになってしまいました。
しかしこれはかなり個人差があるようで、全く副作用を感じないという方もいらっしゃいますし、セオリー通り2周期程度でおさまったという方もいます。よって、黄体ホルモンを服用している場合、高温期の症状から妊娠超初期なのか副作用なのかを判別することはほぼ無意味であると思います。
AIHにおける精液検査の結果については以下の記事をご参照ください。
体外受精へのステップアップ後の記事は以下になります。
*本記事は筆者の経験談と私見によるものであり、登場する施設等の同意を得たものではございません。また、不妊治療や体調・心理状態には個人差がある点もご理解のほどよろしくお願い致します。