長らく精子力の向上には締め付けない「トランクス」のような下着が良いという通説がありましたが、それが研究で実証された、みたいなことのようです。
最初boxer shortsっていう英語が日本で言ういわゆるピッタリ目なボクサーパンツなのかと思って、へぇぇぇ???って思って目に止まったのですが、よくよく読んだらちょっと違ったようです(笑)
英語って紛らわしいね。(というよりは、和訳が紛らわしいのか・・)
まずは元記事のリンクから。
どんな内容?
「ブリーフかボクサーパンツか?新しい研究がその議論を解決する!」ってなタイトルですが、要点を抜き出してみました。
- 男性が身に付ける下着のタイプが、精子の質に影響を与える可能性がある
- 陰嚢(いんのう)を体に密着させるブリーフよりも、ゆったりとした構造で陰嚢が体に密着しないトランクスのほうが、精子の生成に関して良い影響を与える
- ハーバード大学公衆衛生大学院のリディア・ミンゲス=アラルコン氏が率いた研究で、ヒトの繁殖を専門とする英学術誌「ヒューマン・リプロダクション」に論文が掲載された
- 近年の研究では、男性の体から睾丸が自然にぶら下がり、一般的な体温の37度より3〜4度低い状態が、精子の生成にとって最も良いことがわかっている
- ただし、喫煙、遺伝子、性感染症の既往歴、重度の飲酒など、いくつかの要因が男性の妊孕性に影響を与える可能性があることは忘れてはならない
調査方法と結果
- 精管切除の病歴がなく、ボストンのマサチューセッツ総合病院で不妊治療を受けようとしていた18歳〜65歳の656人の男性を調査対象とした
- 対象者には、過去3か月間ではいた下着を、トランクス、ジョッキー(ブリーフのように陰嚢を密着させるが、丈が膝の上まであるタイプ)、ブリーフ、ビキニ(ブリーフよりも丈が短い)、その他から回答してもらった
- 対象者のうち、53%が日常的にトランクスを着用していると回答。トランクスを履く人は、他の下着の人に比べて、精子の濃度が25%高く、精子の総数も17%多く、運動率も33%高かった
- 陰嚢を密着させず睾丸の温度を上げない下着のほうが、精子の生成に有利であることが改めて裏付けられたことになる
精子減少に体が対抗している可能性も
- さらに研究チームが対象者の血液サンプルを分析したところ、トランクス着用者は他の下着をはく人に比べて、卵胞刺激ホルモン(FSH)のレベルが14%低かった
- FSHは精子の生成を促すはたらきをすることが知られている
- 精子が減少したグループのほうがFSHが多かったという分析結果は、精子減少の信号が脳に送られ、脳が精子の生成を増やすホルモンを多く分泌するようなメカニズムの存在を示唆するものだ、と研究チームは推論している
ただし、この研究はまだ完全ではない
News weekにもこの記事は掲載されてましたが、それによると決して完全な研究結果とは言えないようです。
- 「この仮説は、さらなる研究によって確認する必要がある」というのが研究者の評価である
- 試験参加者は既に不妊治療を行なっている男性であり、全男性に結果を一般化することはできない
- この研究は、タイトな下着とFSHレベルとの間の因果関係を確認しておらず、単に相関関係を見いだしたに過ぎない
ということで真偽のほどはまだわかりませんが、「熱に弱い」ことは間違いないと思うので、ジョーにも注意してもらおうと改めて思いました。
それと同時に、卵子の質もこんな些細な事で改善できたらどんなに良いか、と思ってしまいますね。そして卵子の質も年齢のせいと片付けないで大規模調査や臨床研究を続けて欲しいと切に願います。
精子の質に関連して、トマトジュースの飲み比べ記事も書いております。
何事も継続が大事ですな。