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1万円のコーヒー代 - 祖父とワタシ

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私がめちゃくちゃ尊敬している祖父の90歳の誕生日に寄せて。

私のスーパーグランパ

祖父は昭和4年生まれでもうすぐに90歳になる。出兵する直前に終戦を迎え、戦死は免れたのだと言う。

高齢もいいところなのに、もうホント笑っちゃうほどの超人だ。

  • 雨が降らなければ、毎日のように農作業や庭仕事をする
  • 85歳まで会社顧問をつとめ、今もボランティアでいろんな組織のアドバイザーとか顧問とかやっちゃう
  • ケータイにがんがん電話がかかってくる(友達や頼ってくる人が多い)
  • 壊れたものは大抵自分で修理する(電化製品からネックレスまで・・)
  • 料理もできる(誰もいなくても冷蔵庫のぞいて適当に作って食べれる)
  • 家事も積極的に自分でし、お風呂掃除が日課(一番風呂に入れる特権付き)
  • 入れ歯とかしてない(ちゃんと定期的に歯科メンテナンス受けてる)
  • 現代の価値観に対する受容度が超高い
  • すごい勉強熱心で博識(今も新聞は隅々まで読むし、何でも吸収してる感じ)
  • なんでも食べる(お肉大好き)
  • 国内ならどこでも旅行に出かける身軽さ
  • 80歳前後の時、祖母を3年近く自分で介護した(娘息子にはやらせなかった)
  • 通院は眼科(緑内障)だけ(他の病気はホントしたことない)
  • 私の地元の同級生ともトモダチ(友の近況を祖父から聞く不思議)

ちなみに見た目は、ロックな内田裕也をややカントリー調にした感じ(笑)

超絶に尊敬しているし、絶対こういう風に歳を重ねたいと思う憧れのおじいちゃんだ。私が、高齢社会を憂慮しないのは、こんな高齢者の姿を見ているからである。

理想的な年齢の重ね方

前項で赤字にした部分が、特に元気で長生きするための秘訣なのではないだろうか。もちろん、遺伝子的に恵まれていたという要素も大きいだろうけれどね。

まとめると、

  1. 社会性を保ち、人から頼りにされ、特に若い人達と交わること。
  2. お肉はもちろん何でも食べること(タバコは吸わないが、お酒は好き)。
  3. そして、常に時代の変化を学び、新しい価値観を取り入れていること。

祖父だけでなく、70歳、80歳を過ぎてもバリバリ元気な方々の共通点は、この3つであるように思うのだ。

自分が100歳近くになっても、祖父のように社会的に人から求められる存在でいられるようなスキルを身につけていくこと。それが私の数十年スパンの目標だ。

そして、おそらくこれは、多くの人の「超高齢社会」の「老後」に向けた目標のような気がする。

こんな老齢期なら、歳を重ねるのも悪くないはずだ。

そう言い切ってもいい。目の前にこんな存在がいると、ほとんど確信に近いのだ。

そんな祖父の優しさと聡明さ

昨年、一度だけ「子どもは考えてないのか?」と聞かれたことがあった。

でも、「ほしいと思っていて、病院に通ってるよ」と言っただけで、全てを察し「あんまり無理はするなよ」とだけ言った。

それ以降、子どもについて聞いてくることは一度もない。

すごいと思う。

世の中に「不妊」の夫婦がいること、生殖補助医療が進んでいること、それでも授からない場合もあることまで、ちゃんと理解しているのではないかと感じてしまうほどだ。

親世代でさえ、そういった理解に乏しい方もまだ多いというのに。

こんな祖父を持って、私は本当に幸せ者だ。

1万円のコーヒー代

そんな祖父は、今でも私が帰る度に1万円をくれる。

「もうお小遣いをもらう歳じゃないよ~!」と言っても、「何言ってんだ、遠くから来てくれてるんだし、コーヒー代だ」と引かない。

高い高いコーヒー代だ。

「もし、メアリーが帰ってきても、コーヒー代と言って1万円を出さなくなったら、おじいちゃんが何か変わったってことだからな、おかしいなと気づいてくれればいい」

日常的ではないけれど習慣にしていて、「自分から人に何かをしてあげる」という能動的な行為を忘却してしまった時、それは何らかの変化が生じているサインだ、と言うのである。

なるほど。

この人、一体どこまで先を見てるんだ。

「でも、その時には難しい手術をしたり、延命治療なんてものはしないでくれ。おれはもう90だ、十分生きた。周りが何を言っても、その意思を尊重してほしい。」

なんとはっきりした意思表示だろう。こんな風に家族に言える高齢者がどれだけいるだろう。

こんな祖父の姿が、私の目指す生き方だ。

そして、推奨されるべき生き方だとも思っている。

自分ちの理想を他人に押し付ける気は毛頭ないけれど、この祖父の生き方が、誰かの参考になったらいいなと思う。

分かった、大丈夫だよ、ちゃんと言うとおりにする。 

でも同時に、いつかそんな日が来てしまうのかなと思うと、胸がキュっとなった。

今日は、そんな祖父の90回目の誕生日だ。

いつまでもおじいちゃんに甘えっぱなしの孫でいるから、これからも、1万円のコーヒー代、忘れないでちょうだいね!

 

ということで、気が向いたら、ちょっとだけ関係している以下の記事にも目を通していただけると幸いです。

 

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