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不妊症を肯定するのは無理だけど、それでもきっと無意味ではない

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これが、最大限のつよがりだということは認めます。大前提として、不妊症なんて何もいい事はない。

でも、治療の末に子どもを迎えることができたなら、この経験はきっと無意味ではないと思うから。

不妊症なんて苦行以外のなにものでもない 

周りを見渡せば、結婚したらほとんどは妊娠するのが当たり前。

それなのに。

自分が何をしたわけでもないのに、身体の機能が不十分だったり、機能障害があったりする。

妊娠するためだけのために、何百万円も費用をかけなくてはいけないし、痛い思いをして、肩身の狭い思いをしなければいけないなんて、どう考えても納得がいかない。

嬉しいのは不妊治療ビジネスをやっている事業者だけでしょう。

私はいくら自分が不妊でも、不妊症を肯定する気なんてさらさらないわけです。そんな人はいないと思います。

でもこの経験が無意味ではないと思いたい 

だけど、この治療と向き合う経験が、まったく無意味かというと、そこまで卑下する必要はないかもしれないと思っています。

治療の末に子どもを授かるという前提条件が付きますが、子育てをしていくならば、不妊治療の経験はきっと役に立つのではないかと思うのです。

不妊治療なんてしなくて済むなら、もちろんその方がいいに決まってる。不妊症の人の方が子育てにおいて優れているなんてことも思いません。

ただ、この経験は決して無駄でも、無意味でもない。私はそう信じたいなと思います。

1.通院などの治療のために時間を捻出する経験

不妊治療のために時間を捻出する。

これは、子育てのために時間を捻出するのとかなり近い状況ではないかと思います。

実際には不妊治療のための時間の捻出は「毎日」ではないので、子育ての方がより大変であることは自明ですが、とはいえ、いきなり妊娠して思い通りにいかず、出産して時間の使い方に苦労する方、思い通り仕事ができないもどかしさを抱える方も多く拝見しています。

不妊治療の段階で、すでにその経験をしていると、仕事をいかに効率的にこなして早く帰るか、限られた時間の中で自分のリラックスできる方法を見つけるかという訓練を自動的に行なっていると思うんですよね。

しかも周囲にも「この人の時間は有限だ、残業NGだ」といった認識が浸透しやすいので、妊娠をまだ報告をしないような段階でも治療中と同じような時間調整ができるのではないかと考えています。

2.自分の思い通りに物事が進まないことを受け入れる訓練

すんなり妊娠した友人が時折、「本当に子どもがいると毎日が自分の思い通りに進まないのがストレス」という話をします。予定なんて未定であって意味がないと。

多くの人は、子育てする中でその事を思い知り、徐々に許容できるようになっていくのでしょう。

不妊治療をしていれば、そんなことはとっくに嫌というほど経験しますよね。(ものすごくすんなり成功する方は分かりませんが・・・)

どんなに努力しても、強く思っても、自分の思い通りなんていかないことを、痛いほど知っています。

そして卵胞は自分の都合とは全然違うタイミングで育ったりするものです。急に予定が変わったり、通院の予定がわからなくて、週末の予定なんて立てられないという経験もします。

これももちろん、子育ての方が何倍も大変だろうけれど、自然に妊娠した場合と、不妊治療を経験した場合では、そういった心構え少し異なるような気がするんですよね。

3.世の中に当たり前がないことを知っている

不妊治療をしていると、世の中の、そして自分の周囲の理解のなさ、認識のズレに苦しむことはたくさんあると思います。

逆に自分がマイノリティになる経験をしているからこそ、世の中には当たり前など存在しないこと、人はそれぞれいろんな事情を抱えているかもしれないということを知って行動するようになっているかもしれません。

不妊治療だけに限らず、立場的な弱者は、周囲に優しくできる強さを身に付けているケースが相対的に多いように思います。(たまに逆にフレちゃってる人もいますけど)

人と比べても仕方がないこと、人の痛みが分かっていること、それは、特に子育てをしていく上で、きっと強みになるのではと感じています。

4.夫婦二人の時間を楽しみたかったなんて願望が消える

治療してまで待つ待望の赤ちゃん。もう夫婦の時間は十分だから、早くおいで!!と思ってを迎えることができますよね。

不妊治療をしていると周囲の妊娠に対する反応が結構リアルに聞こえてきてしまったりするのですが、「もう少しゆっくりでもよかった」「もっと二人の時間がほしかった」というような声が結構多いことに驚きます。

不妊治療をしている者からするとうらやましい限りですが、それもまた現実なのかなと。もちろん治療の有無で、子どもへの愛の深さが変わるわけではないと思いますし、自然妊娠でも妊娠期間中に大変な思いをされる方はいらっしゃるでしょう。

ただ単純に、いつでも飲める1杯と、マラソンをゴールした後の1杯、同じお水でも、同じビールでも、その意味合いはちょっとだけ違うように思います。

いろいろと強がってみたけど

これは、自分を納得させ、慰めるために書いた記事でもあります。不妊じゃない方々には負け犬の遠吠えみたいに聞こえるかもしれませんが、それでもいいんです。

どんなに強がったとしても、自然妊娠できる方がいいに決まっている。それくらい、不妊治療は経済的に、肉体的に、精神的に、本当に辛いです。

キレイごとでは到底片付けられないような思いをしているからこそ、そんなちょっとしたプラスもあると思わないとやってられないのです。

向かい風は行く手を阻む敵に見えるかもしれないけれど、自分が向いている方角を変えれば追い風にもなる。

そんな思いが伝わりますように、そして、この苦しみから、たくさんの人が早く1日も早く抜け出せますように。