めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

日本の医療費の使い方はやっぱり間違っていると思う

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不妊治療費を保険適用とするべきだ、という記事を書くと、全ての記事を読まれていない方からは、必ず「財源がないから無理では?」という反応を頂きますので、ポイントだけ整理しておきたいと思います。

私が日本の医療費を取り巻く環境はちゃんちゃらおかしいと思う理由は以下。 

  1. 75歳以上の高齢者の心疾患・脳疾患・がんなどの高度医療費が異常に高い
  2. 努力でどうしようもない不妊は支援せず、努力で治せる生活習慣病には手厚い支援をしている状態

この2つに関して妥当性を議論し、具体的な対処を取っていくだけで、不妊治療費や性転換手術後のホルモン治療等を保険適用にした上で、医療費削減も確実にできるでしょうな。(たぶん増税すらしなくてもいいんじゃないかな)

そして、いずれにしてもこの状況はとても「ヤバイ」と言わざるを得ないのです。「ヤバイ」理由は別の記事でご紹介しますね。

日本の医科医療費の使われ方

医療費全体は約40兆円ですが、そのうち歯科や調剤費(院外処方の薬剤費など)を除いた医療施設に支払われている費用が約30兆円。

(実際は調剤費もいわゆる医療費と同じなのですが、データがなかったので今回は30兆の内訳にしています)

ポイント1.75歳以上の医療費は0歳~64歳の総額よりも大きい

医療費の使われ方を年齢区分と疾病領域に分解するとこんな概観で、面積の大きさが金額を表しています。

このグラフのポイント部分に金額を入れてみましょう。数字の単位は兆円。75歳以上のがん治療にかかる医療費は1.4兆円という見方ですね。

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まずビックリなのが表の黄色=75歳以上(人口の約14%)と青=64歳以下(人口の約72%)の面積がほぼ同じで、厳密には75歳以上の方が多いということ。

人生最後の3日間で生涯医療費の3割を使っている という話も以下の記事に記載してます。

この使い方が本当に理想的なのかどうか、医療現場も、当事者である家族も、そして世論ももっと真剣に考え、議論を尽くす必要があると思うんですよね。

ぽろぽろそういうことに取り組む人は出てきているものの、本腰入れて、行政主導でとはなかなかならないのが日本の残念なところ。

ポイント2.生活習慣に依存する病気の医療費は不妊治療費よりはるかに多い

試しに以前推計した不妊治療費をこのグラフ上に置いてみたのがピンクの点線の四角です。これっぽっちなんですよ。

最大でも年間2兆円と試算しましたが、現状の不妊治療の医療費が2000億円程度であることと、医療施設のキャパを考慮すると1兆円くらいが限界のラインかと思いますので、多めに見積もって1.5兆円としました。

それに対して数字を赤字にした人工透析は全世代合計で1.6兆円。他にも糖尿病・高血圧で3兆円。この中には機能障害などどうしようもない原因もありますが、少なくとも半分はホントに生活習慣の改善だけで罹患を防げたと言われます。

だとしたら、4.6兆円の半分でも2.3兆円は使わなくても済んだ医療費ってことになりません?そこにメスを入れたら、不妊治療費の1.5兆円なんて余裕で捻出できるんじゃないの?

なぜ自分ではどうしようもないために医療の力を必要とする不妊症だけは手助けしないのか謎。実際海外では生活習慣病の自己負担額を上げたりする国も出てきています。

どんな生活をしていても最後は国が助けてくれる、なんてそんなのは伸び盛りの国だけの幻想じゃないのかと。

もはや闇と言ってもいい人工透析の話 

特に人工透析患者は16年末時点で33万人、一人当たり年間医療費は約500万円。この医療費が1.6兆円だ。ついでに、透析手前の慢性腎臓病の患者は焼く100万人と推定されている。

透析なんて儲かるのは医療施設と医療機器メーカーだけで、患者も家族も周囲も他人も嬉しいことなど一つもない。

このまま対象者任せで生活指導を入れずに放置するのも、結局医療界が儲けたいからなんじゃないかと思われても仕方ないよね。国民に真に豊かな生活を送って欲しいと考えている政府なら、嫌われたってしつこく追いかけますよ。

週刊現代さん、個人的にはあまり信用していませんが(笑)今回は引用させていただきます。

日本の医療費の使い方、間違ってませんか?

言いたい事は、その医療費を使って医療業界以外の一体誰が幸せになるのか?ということ。Win-Winの構図を作らなければ相手にもされないような世の中で、日本の医療がそこから取り残されているということに、早く気づいてほしいということ。

高齢者の医療費は、とにかくその高度な治療によって元気に回復したという話は極めて珍しいものです。

よく言われるように、人生の最期に意識も朦朧とした状態でベッドの上で食事もできず管に繋がれている状態で何年も過ごすことを望む人が一体どれだけいるのか。

(心臓さえ動いていればいいってのは、親の年金に頼っている家族とかではあるでしょうけどね・・)

そして人工透析に代表されるような生活習慣病の治療を続けることで行動に制約を受け続ける人生を望む人などいるのか?

答えは明確だと思うし、絶対やらなければいけないことだと思いますけど、政府や医師会の皆様はどうお考えなんでしょうか?

ま、不妊治療してる人たちは、財源がどうのって議論する猶予もないくらい切羽詰まってるし、とにかくまず「べき論」だけで保険適用に踏み切れ!!ってのが本心ですけどね。