めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

不妊症が遺伝するかもしれないのに治療するんですか?

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先日、ついに来ましたね、この手の質問(しかも2通も)。このブログはコメント欄を開放していたので、閲覧数が増えれば、そういう否定的、攻撃的な意見はそのうち来るだろうなと想定はしていました。

コメントを見て思ったこと 

こういうコメントがつくということは、閲覧者が増えたってことで、喜ばしいなぁって呑気に構えています(笑)

しかしながら、特に不妊治療全般に対して嫌悪感のある方は、こういった発想の方がいるのかなという印象を持ちました。

頂いたコメント2つの要約 

頂いた1つのコメントは、特に否定的と言うわけではなく純粋な質問として頂いたと理解しています。こちらは他の質問も頂いたので、コメントを承認し公開しました。

Q. 不妊がお子様に引き継がれる可能性がある中、治療を進める決断をされた理由はどんなものがありますか?

もう一つは転座とは関係ない記事に対してついたコメントなので、不妊症に対して嫌悪感なり敵対心をお持ちの方なのかなと勝手に推測しました。

Q. あなた達ご夫婦の不妊症が子どもにも遺伝して同じように不幸になるかもしれないのに、それでも不妊治療してまで子どもを作るんですか?

まとめて回答させてください

このお二人の質問者様の意図はそれぞれ違うような気はしますが、根本は同じなのでまとめて以下を回答とさせていただきたく。

ちなみに、この点については染色体の転座が見つかった時点で、夫とも治療を継続するかどうか、将来起こりえる様々な可能性を踏まえてよく話し合いをしました。

私達が治療を継続すると判断した理由は、ざっくり言えば2つですね。細かく分ければ後述の通りいろいろありますけど。

  • 染色体の転座は不妊のノックアウトファクターではなく、累積の生児獲得率は約80%という結果もあり、転座が遺伝する可能性は50%であること
  • 不妊症であっても自分達の人生、そしてそんな私達の所へ来る我が子の人生は幸福であると自信をもって言えること

不妊治療をしてるって全然不幸じゃないよ

そもそもなんですけどね、私達は不幸だなんて一度も言った事はないし、思ったことも全くないんですよ。

実際、不妊治療はものすごく大変だし、理不尽だし、不妊そのものについては嬉しいことはひとつもないけど、でもそれが私達の生活や人生の全てではない。

それって他の病気だったり家庭環境でも同じだし、人ぞれぞれいろんな因子を抱えていると思うので、不妊が特別なこととは思わないですしね。

とはいえ、私も不妊治療してるって話しただけで「不幸アピールしてる」って思われたようなこともあるし、つらい体験イコール不幸って直で結びつけちゃう方もまぁまぁいらっしゃるんでしょうねー。

私達夫婦の遺伝子引き継いだら、むしろ幸せだと思ってる

で、その前提で、謙遜もせずに本音を言いますね。

むしろ、私達夫婦の遺伝子を引き継いでうちの子として生まれてくれたら、きっと人生の選択肢を広げてあげられるし、絶対幸せになるよ!!って思ってる。

まぁ、意味不明なマウンティングっぽいですけど(笑)

本当に私達、世界中でみても結構幸せな部類に入ると思ってるんですよね。

そもそも不妊治療で苦しむのは、他に健康的な不安要素がなくて、この人との子どもが欲しいと思える相手がいて、子どもを育てたいと思える生活環境があって、さらに自費診療の不妊治療費を捻出するだけの経済力があって、それを維持できる仕事に就けているからなんですよ。

正直、自分たちはものすごく恵まれていると思っています。

不幸どころか幸福すぎるほどです。もちろんその上で苦労せず子どもを授かる方もいますけど、要は比較対象の問題なのではないかと。

ま、実際は遺伝子というよりは後天的な環境の方が人格形成、頭脳、運動能力等々には圧倒的に影響力があると言われていますので、遺伝子はあんまり関係ないと思いますけどね。。。

でも遺伝子を重視しても、お互いこの歳まで病院にもほとんど行ったことがないし、人間ドッグもほぼA判定の健康体、親戚の死因は老衰が多いという、いい遺伝子だと思うんですよね(笑)

我が子が大人になったら

で、問題は染色体の転座なり、なんらかの不妊原因が遺伝する可能性ですよね。

転座に関しては、生まれてくる子どもが同じ染色体の転座を持つ可能性は理論上は50%。半分は正常と言われています。また他の不妊原因があるとして、それが遺伝するものなのかどうかは全くわかりません(そもそも原因もわからんし)。

私達の子どもも、確かに不妊が人生の大きな壁になる可能性はあります。

ただね、その子が、そもそも自分の遺伝子を持つ子を望むかも分かりませんし、不妊の可能性が分かっているならば10代後半~20代の早い段階で染色体の検査を受ける事も、卵子・精子の凍結を始めることも可能です。

この時点で、私達夫婦とはスタート地点が全然違います。

まして、私達の子どもが20~30歳になるころ、生殖医療技術はまた格段に進歩しているはずですし、今と同じ方法で生殖医療が行なわれているかすらわかりません。

今の時点では20年後の生殖医療環境がわからないので、我が子に早い段階で染色体検査を受けてもらうかどうかも決めてはいませんが(知ることのメリット・デメリット両方あると思うので)、転座が不幸因子になるとは全く考えておりません。

自分が生まれた事を後悔していない

そう考えられるのも、私自身、自分が不妊症であったからといって、生まれなければよかったなんて考えた事もないからだと思います。

明らかに幸せな人生を歩んでいると思えるから。

ちょっとでも病気や障害の可能性があったら産まない方が良いなんて、私は思わないし、そんなこと言い出したら遺伝性の高い生命に関わるような疾病ってたくさんありますしね・・・、全員子孫を残すべきじゃないなんて言えませんよね。

反対に、自分達の遺伝子に異常がないからって、必ずしも生まれてくる子が健康とは限らないし、生命の誕生にも人体にも、絶対なんてないし、予期せぬことが起こることだってあるわけですし・・。

不妊症の人が子どもを持ちたいと考えることが「エゴ」だなんてことは微塵も思いません。

キレイごとでも何でもなくて、大事なのは、生まれてからその子がどう生きるか、どんな人生を歩むかだと思います。

だから、私達夫婦の子どもがほしい、そう願うことは、何もおかしなことではない。違いますか?