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不妊当事者目線のMr.Children「here comes my love」歌詞解釈

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今日は、Mr.Childrenが好きで、不妊治療をしている私視点で、「here comes my love」の歌詞解釈をしてみたいと思います。

何の曲なの?

2018年の1月に発表された、TVドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)のために書き下ろされた主題歌ですね。

隣の家族は青く見える DVD-BOX

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なぜ半年も経った今なのか

なぜ今更この記事を書こうと思ったかというと、数々の歌詞解釈を拝見しても、このドラマのメインテーマであった「妊活・不妊治療」に沿った解釈がちょっと少ないなぁ、と感じたからです。

当時私もこのドラマは見ていて、毎回のように自分たちにIdentifyして涙していましたが、あまりに真っ直ぐな曲だったので、わざわざ解釈する必要もないとさえ思っていたのですが、やはり立場が違うと捉え方は異なるものだなぁと。

もともと桜井さんの歌詞は非常に抽象化していろんな人が自分に置き換えて読み取りやすいという特徴がありますし、実際この曲に込められている物語は1つではないのだと思います。

しかし、そうは言っても今回はドラマのための書き下ろし。テーマや台本を読まれた上で制作された楽曲ということを鑑み、その中心(主人公)であった不妊治療をする夫婦の視点で読み解いてみたいと思います。

桜井さんのコメント

「この物語の登場人物たちの、また、その物語に自分を重ね共感するであろう皆さんの背中を押すことができるように、この曲に心を込めて制作しました。登場人物たちの未来がどうなっていくのか、とても楽しみにしています」

いやぁありがたい。桜井さんが自分の背中を押してくれていると思ったら元気出ますねぇ(・・私だけ?)

では、歌詞解釈にいってみよう!

【僕】は不妊治療をしている主人公、【君】は一緒に子どもを待つ同士つまり配偶者と捉えるのが常套だと思います。

【君】は未来の子どもである、という解釈もできなくはないですが、最終的に「君と僕」は辿り着きたい場所に向かって一緒に泳いでいくことになるので、やはりちょっと違うのかなと。

その場合は、結局、未来が望んだ形になるかはわからないけど、きっと思い描いた未来に辿り着けるから、一緒に頑張ろうっていうメッセージだと捉えれば、大きな違和感はありません。

もちろんそれが最も素直な解釈ではありますが、ちょっと待て。なーんか全体的に、実は【僕】は精子で、【君】は卵子とも言えるんじゃないかな?と言うのが、不妊女子的な解釈ですね。(全然ふざけてない)

破り捨てようかな いやはじめから なかったものって思おうかな?

拾い集めた淡い希望も 一度ゴミ箱に捨て

飲み込んでおくれ 巨大な鯨のように あぁ僕は彷徨うピノキオの気分

何かが僕を変えるはずさって 夢見て暮らしている

これは「妊娠への希望」のことを言っているという解釈がしっくりきます。

最初から子どもなんてなかったものって思おう。

ホルモン値は良かった、下腹部が痛い、高温を保っている、そんな小さな希望のかけらを拾って今回は妊娠しているかも!と願っていたけど、それも一旦リセットしなきゃ、という感じ。

ピノキオはざっくり言うと、「良い子になれば本当の人間になれる」と約束された人形が、無知だったり騙されたりして「悪いこと」をするたびに人間の容姿から遠ざかっていくことにパニックを起こし海に飛び込んでクジラに飲み込まれてしまうものの、そこで苦難を乗り越え「良いこと」をして本当の人間になれる、というストーリーですね。

つまりピノキオのストーリーになぞらえて、「状況を変える」トリガーとなったクジラに飲み込まれるような変化が欲しい、という様子を謳っているものだと思われます。

輝く光じゃなくっても

きえることない心の灯りは いつも君を照らしてる

祈るように 叫ぶように

この思いがはぐれないように

これは旦那さんの奥さんを思う気持ちに近い描写な感じはしますね。

キラキラした光ではないかもしれないけど、ちゃんと君に寄り添っているんだよ、一緒に頑張ろうよ、という願いのようなものが込められているのかなと思います。

しかし君は卵子。思いがはぐれないようにと願う様子からも、精子である僕の心の灯りが卵子を照らしてるよ、つまり、君がどこにいるかちゃんとわかっているよ、って解釈もできるかなと

夢見た未来を波がさらっていっても

この海原を僕は泳いで行こう

here comes my love

here comes my love

君に辿り着けるように

新しい家族を迎えるという未来をあっさりさらっていく残酷な現実はあるけれど、

僕(精子)はきっと君(卵子)にたどり着いてやるんだ!!ほら、これが僕の愛だから、諦めないで泳ぎ続けるよ!って言ってるみたいに読めちゃうんですよね。

なんか大海原を泳いでいく僕って、一生懸命体内を泳ぐ精子みたいだなって(笑) 

灯台の灯りが 夜の海の向こう 強く優しく光を放つ

今の僕は 君を正しく導いているかな?

答えはきっとグレーだ

描いて消すを繰り返した夢の地図を 風が引き裂いても

祈るように 叫ぶように

また流れに飛び込んでみるんだ

これは不妊で言えば治療方針とか、不妊治療以外でも生きる方向性みたいなものを描写している場面ですね。

たぶん「絶対にこれが正しい」なんて答えはわからないくて、一生懸命考えて選んだ道でもズタズタにされたり、結果が付いてこなかったりすることがあるわけです。

でも、信じてまた次の一歩を踏み出してみるしかない、時にはがむしゃらに進んでみるしかない。そんな決心をちょっと後押ししてくれる感じかなと。 

見上げた空には雨雲があるけど

その海原を誰もが泳いでいるよ

希望を胸に吸い込んだら

また愛する人の待つ場所へ

そして飛び込んでみると、雲行きが怪しかったりする中でも、みんな一生懸命生きてることに気づくわけです。

だから、僕(精子)も「よし!待ってろ卵子!」って気持ちでまた泳ぎだす。 

あって当然と思ってたことも 実は奇跡で

数えきれない偶然が重なって

今の君と僕がいる

望めば誰でも子どもが産める、子孫を残せる、それがあたりまえだと思っていたけれど、新しい命を育むって本当に奇跡だってことですよね。

君と僕が、人間であっても、精子と卵子であっても、それもいろんなことが偶然うまくいった奇跡なんだということ。

つい忘れてしまいそうですが、妊娠も、生殖も本当に奇跡の連続なんですよね。 (それにしては随分起きやすい奇跡ではありますが)

繋いでいたその手が離れてしまっても

見失わぬように君のそばにいるよ

希望を胸に吸い込んだら

また君と泳いでいこう

here comes my love

here comes my love

いつかきっと

僕ら辿り着けるよね

ここで、不妊脳的には、僕から僕らへ、受精卵に成長したイメージになります(笑)

うまく受精できて受精卵になっても、分割が進まずに止まってしまったり、着床できない(手が離れてしまう)こともあるかもしれない。

でも、 またやり直せばいい、何度もトライしよう。

僕ら(受精卵)はきっといつか、子宮に辿り着けるし、新しい命になれるよね、そう信じるような響きですね。

きっと「新しい命」を迎えるという目標に辿り着けるだろうから、もう少し頑張ってみよう。そう背中を押してくれているのだと解釈しました。

この解釈、ぶっ飛びすぎ?

精子だの卵子だの受精卵だのなんやねん、って思うかもしれませんが、不妊治療しているとそれらってもうわが子同然に愛おしい存在になっちゃうんですよね(笑)

イメージしづらいとは思いますが、精子が卵子に向かってわらわら泳いでく様子なんて可愛くて仕方なくなるんですよ、えぇ。

桜井さんがどういうつもりだったかは別にして、「君に向かって泳ぐ」という概念は不妊脳からしたら完全にその様子に思えるわけです(笑)

でもマジメな話ね、

こういう不妊治療や様々な家族の形を取り上げるドラマの主題歌をMr.Childrenが担当されたということ自体に大きな意義を感じます。

実際ファンの中には、Mr.Childrenが主題歌だったらそのドラマも観るという方もいらっしゃいますし、当事者だけじゃなくて、もともと全然興味のない方にも見ていただけるかもしれない、少しでも不妊治療の厳しさを知ってもらえるかもしれないというのは、やはり希望にも思えました。

 

ちなみに、不妊治療をしているという立場で見てしまう曲として、こちらもオススメなのでぜひ。

 Mr.Childrenの19thアルバム「重力と呼吸」の感想も書いてます!