めありずむ

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【本から学ぶ-vol.3】「予想どおりに不合理」に見る人間の非合理な判断

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本日は久々に「本から学ぶ」シリーズの3回目。2018年後半に読んだ行動経済学の本、「予想どおりに不合理」が結構面白かったのでまとめてみました。

「予想どおりに不合理 」とは

いわゆる「行動経済学」というジャンルです。この手の書籍はいくつか売れているものがありますが、久々に読んでやっぱり面白い学問だなぁと思わせてくれた一冊です。

私達はなんとなく「人間は常に合理的である」と信じている節がありますが、本当にそうか?という疑問を、テーマごとに事例を挙げて投げかけてくれる内容になっています。

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

本記事では、本に書かれていた例をいくつか不妊治療に置き換えて考えてみよーと思います。

ゆうても行動経済学なので、いわゆる行動バイアスや思考バイアスとして、すでにご存知のこともあるとは思いますので私が「なるほど」と思った例をピックアップしました。

 

恣意の一貫性(アンカリング)

例えば最初に悪徳クリニックの体外受精の説明会に行ってしまって「採卵には1回100万円かかります」という説明をされると、その料金がアンカー=基準として刷り込まれる。

他のクリニックで、もしくは他人の話などでも「採卵」の費用は常にこの100万円というアンカーと比較されることになり、本当の適正価格は40万円だとしても、70万円と聞いても内容やレベルに関わらずとても安いと感じてしまう、ということだそう。

  • 孵化したばかりの雛は最初に見た動く物体に愛着を持つ「刷り込み」があるが、これは、我々人間にも当てはまりその刷り込みは「恣意の一貫性」と呼ばれる。
  • 最初に見た価格がでたらめで恣意的なものであっても、それが一旦意識に基準として定着すると、未来の価格までそれが基準になってしまい動かせなくなる。
  • 人間が、最初に触れる情報にいかに縛られているかを示している。

人間の意思決定は「相対性」でしか決められない?

例えば薬局に葉酸を購入しに行ったとき、こんなポップが目に入ります。

あなたはビタミンDが欠乏しているかどうかは検査をしたことがないとします。

  1. 葉酸のサプリ1ヶ月分:1000円
  2. ビタミンDのサプリ1ヶ月分:1500円
  3. 葉酸とビタミンDのサプリ1ヶ月分:1500円

どれを選択しますか?なんとなく、あれ、葉酸があれば良いだけだけど、これならビタミンDも一緒に買っちゃおうかな、って思ってしまいませんか~?

  • 注目すべきなのは②と③が同じ価格である点である。
  • この広告は、葉酸だけを選ばせず、葉酸とビタミンDのセットを選ばせるように設計されている。
  • 人間は、物事を絶対的な基準で決めることは無く、他のものと相対的に優劣をつけ価値を判断する、という例。

自分が合理的な人間だなんて思わない方が良さそう

私達人間というのは、どうも思っている以上に自分のことを分かっていないのかもしれないですね。

もちろん総合的に見れば合理的な判断をしているケースの方が多いかもしれませんが、「合理的と思い込んでいるだけ」ということもあるのかもしれないですよね。

いろいろ見渡してみると、実はマーケティングを仕掛ける時など、私達のこういった行動心理はうまく利用されちゃっている気がします(笑)

筆者のTED講演でも要点がわかる! 

この本の筆者であるダンさんのTED講演も面白いのでおすすめです。本のキーとなる話題について話されているので、要旨を把握するには十分かも。

 

行動経済学に関するその他のおすすめ本

ちなみにこちら「続編」がございます。までも、こっちは読まなくても十分かな(笑)

不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

私が「行動経済学」に初めましてしたのはこちらの本の影響でした。当時よく売れた本ですね。

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

個人的には佐藤雅彦さんはあまり好きではないのですが(笑)、お好きな方はこっちがとっつきやすいかもしれないです。

行動経済学まんが ヘンテコノミクス

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