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ロシアW杯の日本代表を美談にすべきではない

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日本代表の試合を観戦された皆様、長い一日、お疲れ様でした。ベルギー相手に先制し、2-3で破れベスト16となった今大会を、サッカー女子として勝手に斬らせていただきます。

刺激的な4試合をありがとう

まずは、選手、スタッフの皆さん、本当に印象的な4試合をありがとうございました。お疲れ様でした。ベルギーにはあと一歩及ばなかったですが、下馬評を覆し、いい試合を楽しませてくださった事に、1ファンとして感謝しております。

って、私がそんなこと言って静かに引き下がるわけがなかろうーーーーー!!

サッカー女子ではありますが、競技経験があるわけではありません。ただ、20年に渡って日本代表を応援してきた立場から、今日のマスコミの報道をみて、ものすごい危機感を持ったので、僭越ながら、一言書かせていただくことにしました。

ちなみに出場した選手の皆さんの全力のプレーには最大の賛辞をお送りしたい気持ちでいっぱいです、そこまで国を背負って奮闘してくださった事に敬意を表しています。

以下は、選手個人のパフォーマンスをどうこう言う目的ではなく、あくまで起用や采配について問題提起しているものですのでご承知置きくださいませ。

決勝Tのベルギー戦は評価していい試合なのか?

1点目は防げた失点だった

結果的な2-3というスコアと、2-0でリードしていた後半20分までの戦い方は疑いようもなく、称賛に値するものだ。本当に素晴らしかった。一瞬でもベスト8という夢を手に届くものとして見られたことをファンは感謝している。

しかし。この試合のベルギーの1点目は申し訳ないけれどGKのミスだ。得点を許したシュートへの対応もそうだが、その前のパンチングがあまりに中途半端(実際にはその後のDFのクリアも良くなかったですが)。

これは防げた失点と言っていい。後半の早い段階で2-0とリードし、少し試合が落ち着いていたことによる「気の緩み」はあったのではないかと思う。

1点目を献上した後の対処の遅れ

さらに少なくとも、失点をその1ゴールに抑え、自分たちのペースに戻すためにすぐにでも「選手交代」もしくは一旦「パス回しをして落ち着かせる」という選手全体の意思統一をすべきだったと思う。

この時点で、3点目を取りに行こうとする意識の選手と、まず守備を盤石にしたいという意識の選手の2方向への動きが混在してしまっているように見えた。

これが立て続けに2点目を失点した最大の要因ではないかと思う。リードしている展開で、残り20分をどう戦うのかが、選手の中でも見えなくなっている部分があったのではないだろうか。

逆転を許した1プレーへの対応

このカウンター攻撃の前、日本のCKで、まだ時間が残っているにも関わらず、もうラスト1プレーと思っているかのように前線に人を配置したのはなぜだったのか。このプレーが何を達成するためのプレーなのかの意思が見えなかったし、カウンターのリスクを誰かが予想できなかったのか?

相手は優勝候補の一角であるベルギーだ、そんなチャンスをみすみす見逃したりしない。しかも、中盤の段階で山口は体を張ってでも止めるべき場面だった。トップチームならこの試合を決するかもしれないカウンターは何が何でも潰す。

ベルギー相手にゴール前の段階で完全に数的優位を作られてしまったらゴールをお膳立てしているのと同じだ。

 

ロシアW杯の戦いぶりを美談にして終わらせるべきではない

国内のメディアはこぞって、この日本代表の戦いを褒め称えている。前評判を考えれば、この短期間でGLを勝ち上がるだけのチームを作り上げた西野監督の手腕と勝負勘は恐るべきものであると思う。

結果的にベスト16に残ったという事実は、確かに評価に値するだろう。しかし、冷静に考えてほしい。

日本は、4試合を通じて11人相手のチームには1勝もしていないのだ。この結果では、日本と世界に力の差がないという話には全くならない。単純に、サッカーは実力だけの競技ではないということを意味しているだけのことだ。

もし、史上最強と謳われた4年前のブラジル大会のメンバーがこの結果を残したら、メディアは何という論調だったろうか。きっと、勝てる試合を落とした、という雰囲気になったに違いない。

つまり、メディアは勝手に自分が想像していた日本代表と比較して評価を下しているに過ぎないのではないかと思う。

このロシアW杯を美談として褒め称えて終わってしまっては、日本代表が1ステージ上に行くことは叶わないだろう。

控えの選手層の薄さが世界との大きな差

今回先発で出場していた選手の出来は基本的に合格点だったと言って良いと思う。むしろ場面によっては世界が賞賛するプレーも多く飛び出した。

問題は、ベンチスタートだった控えの選手が出場することによる「プラス」がほとんど感じられなかった点だ。しかもしかも10人ものフィールドプレーヤーがいるにも関わらず、交代のオプションが少なすぎた。チーム総力戦のW杯なら、本来であれば戦況によって交代する選手は毎回変わるべきである。

代表チームでありながら、スタメンとベンチでここまでパフォーマンスに差が出るのはちょっと考えにくい。特に、山口、槙野、酒井(高徳)、武藤・・・。本当にベストな選手選考をできたのだろうか?という疑問は大いに残った。

なぜ正GKに川島を選び続けたのか?

これはいずれにしても疑問だ。W杯直前でも、彼のコンディションは決して良いものではなかった。年齢的なものもあって、全盛期と比較するとゴール前での守備範囲が狭く、判断力も低下していると言わざるを得ない。

素人目にも明らかな不安要素であったにも関わらず、なぜ使い続けたのか?様々な可能性とリスクを考慮した上でのベストな判断だったと言えるのか、そこは問われるべき点であると思うし、もしこれがベストな判断であったと言うのであれば、GKの育成に課題があるということになるだろう。

GL3戦目のポーランド戦は勝ち点3を取りに行くべきだった

これはタラレバの話ではあるが、個人的にはポーランド戦は1-2戦目とほぼ同じメンバーで勝ち点3を取りに行くべきだったと思う。

今大会のポーランドはコンディションは大会を通じて良くなかった。先発メンバーであれば、十分に勝ち点3を取れる試合内容であったと思う。

そうした場合、先発選手の温存は確かに出来なかったが、勝利によりGLを1位通過すれば決勝Tの試合は中1日多く休みが取れた上に、移動時間もキャンプ地から近くすんだ。

しかも、勝利する内容であれば、ラスト10分の世界から非難されたパス回しをせずとも良かった可能性は高い。

ベルギー戦での曖昧な試合運びは、少なからずこの時の「不本意なパス回し」がマイナスに影響しているのではないかと推測する。

本気で上位を目指していたのであれば、他チームのGLでのコンディションを見ても、1位通過で反対のブロックで勝ち進むことを考える方が「実力」を考慮すればよほど現実的だったと思う。

「負けるべくして負けた」を認めてもいいじゃないか

試合後、西野監督は「何が足りなかったのかわからない」と言った。しかし、個人的には分かりきっていることなのではないかと思う。 勝てたかもしれない試合を自ら棒に振ったと言ってもいい。

日本はまだ、世界の強豪と互角に渡り歩けるようなチームではなかった。それを認めればいいと思う。

そして今回の監督交代劇で遅れてしまった世代交代を進めていく中で、もう一度本当に世界と戦えるチームにするために何が必要なのかを考えて、次の4年後を目指してほしいし、だからこそ、今回の結果を美談のように扱ってしまっては、絶対にいけないと思う。