めありずむ

不妊治療・育児・Mr.Children・手帳・雑記ブログ

アクションを起こす事への不安と希望

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ブログ1周年を目前にして、今日は正直な思いを綴っておきたいと思う。

 

 

1年を振り返って

このブログを始めてもうすぐ1年になる。

1年前、世の中に「不妊治療は医療保険が適用されるべきだ」と具体的に訴えている人や組織はほとんど皆無だった。

実際、具体的に動いた形跡があったのは、NPO法人のFineくらいだだったと思う。Web検索をしても、ろくに記事すら出てこない(むしろ民間保険(シュシュ)とか)。

だから自分が書くことにした。不妊治療の闇と共に、具体的に医療保険の適用を実現できる方法はあるということを伝えたいと思った。

このブログや発信者の私がどうなりたいというものはなく、どんな形でもいいから議員やインフルエンサーや大手のメディアまでこの考え方が届けばいい。

正直、自分が表に立つことなど、やりたくもないし、誰かがやってくれるのなら乗っかりたいのが本音。

ブログだって、のほほんと好きなことを書くか、副業的に稼ぐ目的の記事に特化するかのどちらかの方が、よっぽど楽だ。

その感覚は今も変わらない。別に活動家じゃないし・・(笑)

でも誰もやらないならやらなきゃダメだなと思っただけだ。

不妊治療について表立って議論される場が増えれば、自ずと結果はついてくるに違いない。少なくとも、このアクションの方向性は時代に逆行しているわけでも、誰かを不幸にするわけでもないはずだからだ。

1年続けてみて、小さいながらもいくつか変化を感じる。この1年で不妊治療に関するサービスを立ち上げようとしているという話も聞くようになった。

時代は確実に変わろうとしていると思う。過渡期の中で、次の1年も、もがき続けるつもりだ。

アクションを続ける必要性

私の信念の源にあるのは「何も言わないのは受け入れているのと同じ」ってこと。

これだけたくさんの発信手段がある世の中で、文句を言わないのは同意してると思われても仕方がない

私も好きでやってるわけではないけれど(楽しんではいる)、不妊治療の領域は、誰かがやってくれるからいい、と他力本願でいられるほどメジャーな領域ではない。

だから、今も患者数のわりにマイノリティなのだろう。社会ってそんなもんだと思う。

待っているだけで、誰かが気づいて助けてくれるほど、世間はお人好しではない。

ムーブメント(社会運動)の起こし方

TEDの大好きなプレゼンの一つに「社会運動はどうやって起こすか」(デレク・シヴァーズ)というのがあるので、ぜひぜひご覧いただきたい。

ユニークだし3分程度だから。

動画から見るムーブメントを成功させる流れ

  1. リーダー(最初の一人)がガッツを持って立ち上がり、嘲笑される。
  2. 最初のフォロワーが現れ、リーダーに追随する方法を示す(ここが重要)。ムーブメントはリーダーのものではなくなる。
  3. 次のフォロワーが現れると「ただの変人」から立派な「集団」に変わり、存在が公になる。フォロワーが他の人達を呼ぶようになる。
  4. 参加する人が増えてきて、転換点に達するとそれ以降はどんどん参加者が増えていく。こうなると参加するリスクは減り、参加しても笑われないし、逆に参加しないのがダサいくらいになる。

ここで重要なのは、リーダー(最初の一人)の存在が過大評価される事が多いが、実際のキーはフォロワー(後に続く人たち)であるという点だ。

この不妊治療を取り巻く環境は、2019年初頭の今、「1」をやる人が数人出てきて「2」に入るかどうかという段階だと思っている。

要はまだまだスタート段階であり、ここからフォロワーとなる人がどれだけ現れるかが重要なのである。

少数の人だけがアクションを続ける不安

一方で、ムーブメントが起こる前の段階で自分のように少数の人が表立って強い主張をすることへの不安も当然ある。

1つ:自分は不妊治療患者の代表ではない

不妊治療している人の中にもいろいろな考え方の人がいるはずだ。

しかし、声を上げる人が少ない場合、強い主張を続けている人の意見がまるでそのクラスタの代表みたいになってしまう懸念がある。

私の思想や理論や価値観はあくまで1個人としての意見であって、組織や団体としてコンセンサスを得ているものではない。

一人の意見が絶対正しいわけでもないし、物事は常に二面性をはらんでいるとも思うから、正直反対意見でも何でもいいのだ。

この話題について表立って「意見する人の多さ」こそが重要だと思う。

だから、どんな意見であってもとにかく発信してくれる人の数が増えてほしいというのが本音だ。

2つ:世間の中で話題にされたくない人もいる

マイノリティ問題に関わらず、その状況をオープンに訴えたいと考える人と、とにかく触れずにそっとしておいてほしいという人がいる。

理解されることはもう諦めているし、不妊様みたいに面倒な主張をするやつだと思われたくない、みたいな。

そういう人にとっては私のようにアクションを起こす人がいること自体が気に食わない場合もあると思う。

だからみんなに賛同してほしいとも、一緒に行動してほしいとも言うつもりはない。実際にどうするかは、個人の判断だ。

でも、どう考えても今の日本の不妊治療環境はベストとは言えず、当事者にとっての最大の利益は何か?という一点において、その天秤は行動を起こすべきという方に傾くと思っている。 

真正面から否定されていないという希望

実は認識されていないだけ説

そういう意味で、私のやっていることは、不妊の人全員がHAPPYになる行動ではないかもしれない。

それでも、やっぱり大多数の人をHAPPYにするためにも、この主張は言い続けることに意味があると思う。

今私が持っている仮説は「厚労省や政府にも一般社会にも、不妊治療している人の現状や正確な情報が単純に届いてない」説である。

つまり、今不妊治療が保険適用になっていないのは、必要がないと切り捨てられたわけではなく、その必要性が単純に認知されていないだけじゃないか、ということだ。

もちろん一種の既得権益との闘いはある程度覚悟しなければいけないだろうけれど、官僚だって医者だってバカじゃないし悪人でもないはずだ。(個人的には性善説派だからね)

今は忘れちゃったり、見えなくなってる可能性はあるけれど、その職業を選択する元々の思想として「人のため、社会のため」という発想は持っているのではないかと思う。

これは何かと敵対するアクションではない

なぜなら、不妊治療を保険適用にするということ自体は、誰も不幸にする政策ではない確信があるからだ。

自然妊娠できる人も、独身者や子どもを産みたくない人が嫌な思いをするわけでもない。すでに子どもがいる人や、他の疾病で闘病中の人、高齢者が不幸になるわけでもない。もちろん、不妊治療をしている人や関わる仕事をしている人に不当な不利益が生じる方法でもない。

より良い方へ「変化」を起こすだけで、その上で、不妊治療が必要な人たちが救われる可能性が増えるだけだ。そう断言できる。 

私達が声を上げる事は、決して何かと敵対するためのアクションではないのだから。